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タバコを吸っても肺疾患に罹らない?:その謎 (BBC-Health, September 28, 2015)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/6E86/production/_85749282_thinkstockphotos-99657369.jpg

 一般にタバコを吸い続けていると、肺機能が低下し、肺疾患(lung diseases)に罹りやすくなる。しかし、喫煙者の中にはまれに、肺の機能に異常が見られない人もいる。また逆に、生涯に一度もタバコに手を触れたことのない人が、肺の病に冒されることもある。
 これはなぜなのか。その謎を解くカギが、医学誌「The Lancet Respiratory Medicine(ランセット呼吸器内科学)」に発表された。

 「英国医学研究審議会(The Medical Research Council)」の研究チームが、被験者50,000人以上の健康データと遺伝子データを解析し、最終的に得た結論。それは、「肺疾患に対する人の抵抗力は、「遺伝子(genes)」に深く関わっている」。

 研究者は、喫煙者に多い「慢性閉塞性呼吸器疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease, COPD)」に注目した。この病気は、「息切れ(breathlessness)」、「せき(coughing)」、「肺感染症(chest infection)」に発展しやすい。イギリスでは、「気管支炎(bronchitis)」、「肺気腫疾患(emphysema)」を含めると300万人に達するという。

 しかし、人間のDNAの一部が「優良遺伝子(good genes)」によって構成されていると、COPDの発症リスクが抑えられていることがわかった。つまり、たばこを吸い続けても肺の病気に罹りにくいのは、優良遺伝子が防御していたためと説明される。

 さらに、研究では、喫煙者に特有の「遺伝子コード(genetic code)」も発見された。このコードが脳の機能を変化させ、「ニコチン中毒(nicotine addiction)」に罹りやすい状態にしている可能性がある。

 この研究結果を受けて、研究メンバーの1人でLeicester(レセスター)大学のMartin Tobin教授は、次のように述べる。

 「優良遺伝子の喫煙者とは言え、その肺は、タバコを吸わない人に比べたら、不健康な状態であることに変わりはない。」

"The strongest thing that people can do to affect their future health in terms of COPD and also smoking-related disease like cancer and heart disease is to stop smoking."
[ 私たちが、COPD疾患や、喫煙に関連したガン、心臓病の発症から逃れるためにできることで、最も効果があるのは、タバコを辞めることだ。]
                                                                                                 (写真は添付のBBC Newsから引用)
  

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