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冥王星にモヤ(靄):地球によく似た気象 (BBC-Science & Environment, September 17, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/61F8/production/_85608052_85608051.jpg

 「NASA (アメリカ航空宇宙局)」は、9月13日に宇宙探査機「ニューホライズンズ(New Horizons)」から届いた新たな映像を公開した。今年7月14日、冥王星(Pluto)に12,500kmまで近づいて、写真撮影した映像の数枚だ。

 弧を描く地平線が、かすかな太陽の光に照らし出された「美しい夕日の眺め(stunning view of sunset)」は、この探査計画の主任研究員Alan Stern教授が言うように、

"This image really makes you feel you are there, at Pluto, surveying the landscape for yourself."
[この映像を見ると、まるで、冥王星に立って、景色を眺めているような錯覚に陥ってしまう。]

ほど、印象的な光景。科学者は、その映像に地球の大気層のような「モヤ(haze)」が写っていることに気づいた。モヤは地上から上空100km近くまで続いていて、その中に10種類以上の異なった層が確認できるという。

 さらに、映像を拡大して見ると、冥王星の暗黒部の領域には、霧のように低くたれ込めた、幾つものモヤのかたまりが夕日に浮かび上がり、そのモヤの周辺は山脈の陰に紛れている。

 これは、地球の雲ではないか。地球では、太陽に熱せられた海洋の水が水蒸気となって雲をつくり、それがやがて雪や雨となって地表に戻る。これに対して、これまでの観測データから推測すると、冥王星では凍結した窒素(nitrogen)や他の元素の氷(ice)が気化して大気中に浮かんでいると考えられる。まさに、「水文学的循環(hydrological cycle)」の気象現象が、冥王星でも起きているのだ。

 冥王星には大気があり、山脈も氷河も、平原もあった。

"Pluto is surprisingly Earth-like in this regard, and no one predicted it."
[この点で、冥王星は驚くほど、地球によく似ている。これは、誰も予想しなかったことだ。]

 探査機「ニューホライズンズ」は、今後、天体「2014 MU69」を通過し、「カイパーベルト(Kuiper Belt)」を目指す予定。

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)
 

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