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マヌルネコの子猫:世界最古のネコ種 生態解明となるか (BBC-News, September 7, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/590/cpsprodpb/B644/production/_85406664_youngpallascat.jpg

 ネコは古代エジプトで紀元前4,000年の昔から家畜として飼われ、日本では、平安時代、中国から渡来した「唐猫(カラネコ)」が、宮廷人の間で愛玩動物(pets)として可愛がられていた。
 そもそも日本語の「ネコ」とは、鳴き声を擬音語化した「ネ」に、小さいことを意味する「コ」を添えた言葉。

 また、ネコ(cat)には不思議な魔力があると信じられていた。魔女(witch)にネコはつきもの。そのお陰で、次のような表現が生まれる。

 ・"A cat has nine lives."  [ネコには9つの命がある。]
 ・"It rains cats and dogs." [雨がどしゃ降りとなる。]

 ちなみに、ここで「cats」の対として登場する「dogs」は、北欧神話の嵐の神オーディン(Odin)に仕える「イヌ」のこと。つまり、ネコもイヌも暴風雨をもたらす摩訶不思議な力がある生き物として、古くから、人々は畏敬の念を払っていたことがわかる。

 さて、表題の記事は、イランで発見された「マヌルネコ(Palla's cat)」の話題。マヌルネコは別名「モウコヤマネコ」とも呼ばれ、「準絶滅危惧種(near-threatened)」に指定されている野生のネコ。ネコ科の動物の中で、最古のネコ種とも言われ、519万年前、「ベンガルネコ(Leopard cat)」の先祖(ancestor)から分岐したと考えられている。

 生息域は、中東からアジアに至る「中央アジア地域(Central Asia)」で、標高5,000m級のチベット高原など比較的高地のステップ(steppe)や岩場を好んで生息する。
 昼は洞穴で眠り、夜間に活動するため、めったに目にすることができないネコ(most elusive cats)だ。このため、その生態(ecology)はほとんど知られていない。

 マヌルネコは体中が厚いふさふさの毛で覆われている。この毛皮を目当てに、近年まで、中国、モンゴル、ロシアでは、このマヌルネコが狩猟の対象となったため、今では、動物園でようやく、その姿を確認できるほど、個体数を減らしてしまった。

 ところが、一匹の「小さな捨て猫(abandoned cat kitten)」がイランで発見された。なんと、これがマヌルネコの子猫。早速、「無線発信器(radio collar)」が取り付けられ、野生(wild)に戻して、生態調査が開始されたという。

 調査を担当するのは、「スコットランド王立動物協会(the Royal Zoological Society of Scotland, RZSS)」とイランの研究者。RZSSはイラン北部に位置する「中央アルボルズム(central Alborz Mountains)」でもマヌルネコ調査プロジェクトを立ち上げ、その生態解明に力を入れて行くそうだ。

                               (写真は添付のBBC Newsから引用)
 

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