オーストラリアの首都キャンベラ(Canberra)の近くで、迷子の羊が発見された。体は伸びた毛でモコモコのだるま型。その顔半分は、伸びた頭の毛に隠れて目が見えない。これでは敵に襲われても、走るどころが歩くことさえままならないだろう。まるで入道雲の中に体があるようではないか。通常の体の、ざっと4,5倍(four-to-five times)にはなっているそうだ。
"Sheep can develop serious health issues if they are not regularly shorn."
[羊は、定期的に毛刈り(shearing)をしてやらないと、深刻な病気を招きかねない。]
この羊はメリノ種(merino sheep)のオスと見られている。何年も野山で孤独(solitude)な旅を続けたせいか、突然人間に囲まれて、ストレス気味とか。
早速、「RSPCA(王立動物虐待防止協会)」が「危険状態」と判断し、化け物のようになった羊の毛を刈り取ることにした。この仕事をお願いされたのは、これまで4度も「豪州毛刈り大会(Australian Shearing Championship)」で優勝を果たしているMr Ian Elkins。
おそらく、毛刈りチャンピオンの胸は期待で膨らんでいるに違いない。もしかして、一匹の羊から刈り取れる羊毛記録を塗り替えることができるかも知れないと。
それは、2004年のことだ。ニュージーランドで、牧場から逃げ出したメリノ種の羊がいた。なんと6年間も野山を放浪し、見つかったときには、毛は伸び放題で、動けないほどの超モコモコ状態だった。この羊、「シュレック(Shrek)」という名前まで付けられて、有名になった。このシュレック君から刈り取られた毛(fleece)は27kg。紳士用スーツ20着分の羊毛(wool)がとれたという。その後、この「逃亡と放浪の英雄」も、残念ながら、2011年に死んでしまった。
オーストラリアの2代目放浪羊。どのような名前がつくのだろうか。
(写真は添付のBBC Newsから引用)