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ハウスーダストは微生物のすみか:一般家庭で9,000種 (BBC-Science & Environment, August 26, 2015)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/FEE0/production/_85184256_c0249178-aspergillus_fungus,_light_micrograph-spl-1.jpg

 英語「microbe(微生物)」は、ギリシャ語「micro (small)」と「bios (life)」が一緒になった語で「バクテリア(bacteria)」や「カビ(fungi)」のことを指す。つまり、顕微鏡で細胞が確認できる生物の意味だ。その多くは嫌われもの。しかし、中には、きちんと人間の役に立っている微生物もいる。よく知られているように、抗生物質ペニシリンはアオカビを精製して作られる。

 ところで、一般家庭の「ハウスーダスト(house dust)」にはどれ位の微生物がいるものだろうか。この疑問に答える研究が、アメリカColorado大学Dr Noah Fierer准教授を中心に実施された。アメリカ全土にまたがる1,200軒の家庭からハウスーダストのサンプルを郵送してもらい、そのサンプルに内在する微生物を「遺伝分析(genetic analysis)」によって特定した。

 その結果、一般家庭に住み暮らしているカビは平均2,000種以上、バクテリアについては平均7,000種以上が特定され、結局、総計9,000種以上の微生物が、身の周りに常に存在することが明らかとなった。

 検出されたカビの中には、アスペルギルス(Aspergillus)、アオカビ(Penicillin)、アルテルナリア(Alternaria)、フサリウム(Fusarium)などの種類が含まれていた。
 屋内のカビは、そのほとんどが服にくっついて外から入ったか、窓やドアから家屋に侵入したもの。したがって、「カビの生態系(fugal ecosystem)」の構成(make-up)は、住んでいるいる場所(location)によって違うという。

 一方、バクテリアについては、人間の肌に付着しているブドウ球菌(Staphylococcus)や連鎖球菌(Streptococculs)、排泄物(faeces)との関連が疑われるバクテロイデス(Bacteroides)やフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)などが検出された。
 バクテリアの種類は、住人の性別によって左右されるが、とりわけ、屋内で飼われるペットが大きく影響していると、研究者は判断する。

 この研究の次のねらいは、これらの微生物が人間の健康にどのような影響を及ぼしているかを明らかにすること。
 しかし、研究者らは次のように言う。

"While some microbes may be linked to disease and allergies, they say most are probably harmless - and some may even be beneficial. People do not need to worry about microbes in their home. They are all around us, they are on our skin, they're all around our home - and most of these are completely harmless. It is just a fact of life that we are surrounded by these microbes."

[確かに、病気やアレルギーを引き起こす微生物もいるが、そのほとんどは、おそらく無害。むしろ、今後、役だってくれる微生物もあるはず。屋内で微生物が発見されたからと言って、心配することは全くなし。微生物は、人間の周りの至る所にいるものだ。そう、人間の皮膚や、住居の周りの全てに生存している。そのほとんどが、健康には全く問題ない。私たち人間が、様々な微生物に囲まれて生きていること。それが地球上に生命が存在する証(あかし)。]

                          (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com