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漂流108年以上:世界最古の「ビン詰めメッセージ」発見 (BBC-News, August 21, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/834/cpsprodpb/FC27/production/_85115546_bottlemba.jpg

 泉に涌き出る清水のように澄み切り、西の空に傾く夕日のように雲を彩(いろど)り、凍てつく冬の夜の星のように輝く。そんな、清々しく実直な心の持ち主を、古(いにしえ)の人は「またびと」、「またうど」と呼んだ。
 
 表題の記事は、イギリスの「またうど」のはなし。
 今から108年以上も前のこと。海洋調査の一環として、ガラスビン数千本がイギリスで海に放流された。ビンの中には、メッセージ付きのはがきが入っていた。そのメッセジーとは、

「このビンを拾った人は、今、お読みのはがきを「英国海洋生物学協会(The Marine Biological Association)」宛てにご郵送願います。返却にご協力戴いた方には、お礼として、1シリング(shilling)差し上げることをお約束致します。」

 そして、ガラスビンの放流(1904-1906)から108年以上が過ぎた。その間、1本のガラスビンが、どれほど実直な(conscientious)旅をしたかは定かではない。しかし、ようやく砂浜にたどり着くことができた。そこは、イギリスから500kmも離れた北海で、浮かぶように佇むドイツ北端の小さな島、アムル島(Amuru island)。

 長い長い航海で疲れた体を休めているガラスビンに気づき、拾ってくれたのはMarianne Winklerさん。元郵便局員(postal worker)として働いていたご婦人で、この4月にたまたま休暇でアムル島を訪れ、砂浜を散歩している途中て発見したという。もちろん、Winkler さんはすぐに、その「はがき」をポストに投入した。

 これを受け取った、プリムス(Plymouth)に本部を置く「英国海洋生物学協会」も「粋なはからい」を見せる。
 イギリスのシリング硬貨はすでに1971年に廃止されている。そこで「古銭の1シリング硬貨(an old English shilling)」を、108年前の約束通り、Winklerさんに送ったという。

 件(くだん)のガラスビンとメッセージは、精密な鑑定を経て、「世界最古のビン詰めメッセージ」のお墨付きが与えられる予定とか。

 きれいな、そして、さわやかな「はなし」であった。
 
             (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com