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不規則な睡眠パターン:太ってガンの発症リスクを高める (BBC-Health, July 21, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/800/cpsprodpb/0738/production/_84384810_thinkstockphotos-476064675.jpg

 地球上の全ての生命体は、その組織内に、24時間周期のリズムを生み出す「体内時計(body clock)」をもっている。人間の体内時計は、脳の奥に鎮座する「視交叉上核(nucleus suprachiasmatica)」がそれだ。
 「朝方」と「夜型」の人間では、体内時計の周期が少しだけ異なっていて、その違いが、時計時間の経過と体の対応との関係(時間特性)を変えていることや、日光を浴びると、体内時計のリズムが早くなることもわかっている。
 人間は、時計遺伝子の設計図に従って、細胞を機能させ、生きているとも言える。

 さて、その設計図から大きく外れた生活リズム環境に、生命体が強制的に置かれたら、どのような異常をきたすか。このテーマに、オランダErasmus大学の研究チームが取り組み、その成果を学術雑誌「Current Biology」に発表した。

 マウスを使った動物実験である。マウスの睡眠時間をコントロールして、体内時計のリズムを乱すと、マウスの体重が20%増加し、さらにガン腫瘍(しゅよう)(cancer tumours)」の発症も早まることが確認されたという。
 もちろん、動物実験の段階であり、この結果を人間に適用するためには、さらに研究を進める必要があるが、と断った上で、研究者は、以下の重要な提言を述べる。

 昼と夜が反転するような(chronic light-dark inversions)労働環境で働かざるを得ない客室乗務員(fright attendant)や交代制勤務労働者(shift worker)は、体内時計のリズムが乱れた生活を強いられているため、ガンの発症リスクが高くなっていると推測される。とくに、潜在的にガン(乳がん)のリスクが高い人(at-risk women)は、発症が早まるので注意が必要だ。

 マウスモデル(mouse model)の結果から大雑把に推定する(guesstimated)と、その発症が5年早まり、体重も10kg増えることになる。

 このため、体内時計が乱れる生活を余儀なくされる人は、常に、体重の変化と健康診断の結果に、注意を払うことが大事だ。
                                                                  
 どの生命体も、この世で生きていくためには、リスクに向き合わなければならないが、リスクの情報と、これを分析し、対策を考える戦術(tactics)が不足しているように思えてならない。
             (写真は添付のBBC Newsから引用)

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