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美しく、逞しく、怖い野の花: ハナウド属 (BBC-Magazine, July 10, 2015)

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  春5月、山間部の川べりに沿って車を走らせると、白い小さな花の群生を目にすることがある。高さが1~2 mの茎の先で、放射状に花柄(かへい)を広げ、下から見上げると、まるで線香花火のように花が咲いている。これは、ニンジン(carrot)と同じセリ科(Apiaceae)に分類される「ハナウド(Cow Parsnip)」、別名、「増上寺(ぞうじょうじ)ビャクシ」だ。春の若葉は食用になる。

 さて、表題の記事は、このハナウドの大型種「オオハナウド(Giant Hogweed)」にまつわる事件。原題の直訳は「誰が、何を、なぜ:(毒のある)オオハナウドを(イギリスに)こんなにも広げてしまったのか?」

 事件は、イングランド北部の都市ボルトン(Bolton)で起きた。2人の少年が誤って、このオオハナウドに触れたのだ。皮膚が赤く腫れ上がり、病院で手当を受けることになったという。
 原産地が中央アジア(Native to Central Asia)、学名が「Heracleum Mantegazzianum(ヘラクレウム・マンテガジアヌム)のオオハナウドは、まさに「Giant」なハナウド属の植物で、イギリスでは5m以上にもなる。「Giant Hogweed」の他にも「Cartwheel-Flower」、「Giant Cow Parship」、「Hogsbane」、「Giant Cow Parsley」と、色々な名で呼ばれる。このことは、イギリスで、なじみの野草になっていることを意味する。

 外来種の植物を、興味本位または園芸用販売目的で、軽々に自国に持ち込むと、自然から、とんでもないしっぺ返しを受けることがある。日本からイギリスに持ち込まれたイタドリが、今や公園などで手の施しようがないほど、暴れまくっていることはよく知られている事実。オオハナウドも、1893年イギリスに持ち込まれて、その全土に広がった帰化植物だ。愚かにも(unwisely)、未だに、これを自宅の庭に植えている人を見かけるとか。この状況は、日本のセイタカアワダチソウとよく似ている。

 オオハナウドは、川岸(riverbanks)や荒れ地(wasteland)に生える多年草(perennial)で、天狗のうちわのような葉っぱ(leaves)、細い毛が密生する茎(stems)、根(roots)、白い花(flowers)、種(seeds)の全てに有毒成分(toxic components)」を含む。これに素手で触れても、すぐには症状が現われない。しかし、触れた箇所がさらに日光にさらされると、1、2日後に発疹(rashes)が出て、赤く腫れ上がり(burning)、やかて、水ぶくれ(blistering)になることもある。

 症状には個人差があるが、とくにアレルギー体質の人や子供には注意が必要だ。万一、触れてしまった場合には、石けんと水で患部をよく洗った後、包帯等を巻いて日光に当てないことが肝心。専門家のアドバイスである。

                                                      (写真は添付のBBC Newsから引用)