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気候の「悪業」か:昆虫マルハナバチの生息地が消えゆく (BBC-Science & Environment, July 9, 2015)

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 原文の表題に現われた「vice」は不思議な言葉だ。この語源は異なった3つのラテン語「vitum(defect)」、「vice(instead of)」、「vitem(vine)」にある。すなわち「vice」の生まれた土壌がそれぞれ、「悪」、「副」、「万力器」と違う。辞書では1つの見出しにまとめることのできない事情が、ここにある。
 この記事では、気候(climate)が生物(creatures)に悪さ(vice)をして、その生息地(habitats)を脅(おびや)かしているという内容になる。

 欧州、米国、カナダの研究者からなる国際研究チームが、1901年から2010年に至るマルハナバチ(bumblebees)67種に関する420,000件の観察記録データを解析した。その結果、気温が急上昇したこの数十年間で、マルハナバチの生息地は北に移動していることが明らかになった。

 世界中で温暖化が進み、その異常気象の「異常さ」は「並(moderate)」のレベルを超えた。竜巻はアメリカ西部の気象現象かと思いきや、日本はおろか、イタリアのベネチアでも竜巻(tornado)が発生するようになったのだ。

 しかし、気候の「悪さ、悪業」は、蝶やミツバチ等の昆虫にとっても深刻な被害をもたらしている。「暑くて、かなわない」。北へ北へと逃げ出す必要がある。ヨーロッパ、北米の両大陸のマルハナバチは北に向かい続けて、すでにその生息する南限(southern limits)は、1901年から1974年の時代に比べて300kmも北にシフト(migration)していることが、この研究でわかったという。

 ただし、マルハナバチの移動は現在、壁に当たっている(hitting a wall)。これ以上、北の寒冷地を目指すためには、もっと集団の規模(population)を大きくする必要がある。しかし、個体数が減少している現状では、急に仲間を増やすことが難しい。したがって、暑さから追い立てられながらも、なかなか北に進めず、結局、その生息地は狭めれる一方の危機に陥っている。
 たとえば、イギリスに生息するマルハナバチの仲間の一部は、絶滅状態に近づいている(going extinct)。このように、個体数の減少を招いたのは、殺虫剤(pesticides)でも草原が失われた(land use change)せいでもなく、偏(ひとえ)に、気温の上昇(warming)にあると、研究者は指摘する。

 毎日、口にする食べ物(food & drinks)のおよそ1/3は、昆虫の受粉(pollination by insects)の恩恵によるところが大きい。その人間の「味方」が気候にいじめられている。しかし、そもそも、それほどまでに、気候を追い詰め、怒らせてしまったのは、誰か。
                                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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