「くよくよするな」。過ぎたことは、過ぎたこと。また、明日のことは分からないものだ。だから、今日の日を、そして、今この一瞬を大切に、大事に生きること。
これを、古代ローマの詩人ホラティウス(Horatius, BC65-BC8)は、
「Carpe diem.」(この日を摘め)
と詩の一節に唄った。
人は、過ぎたことにこだわり、それが何度も何度も心の中に現われて、悩まされることがあるもの。そんなときは、山へ行こう。近くの山野で構わない。自然の中を歩くと、血圧(blood pressure)も心拍数(pulse rate)も下がり、活性ホルモン(active hormone)「コルチゾル(cortisol)」が副腎から分布される。これによって脳の活動(brain activity)が活発になり、ストレスから解放されて、心の負担が軽くなる。何よりも「くよくよ感(rumination)が消える。
町中を散歩するよりも、自然の中を90分歩くと、精神疾患(mental illness)の発症リスクが抑えられ、心が癒やされるという。アメリカStanford大学の研究結果である。
これは、「心理学的生態系サービス(psychological ecosystem service)」と呼ばれる自然の治癒効果。研究者は、「自然に親しむ活動」に秘められた「活性成分(active ingredients)」を、心の負担の大きい「都会の生活」にどのように活用するか、その方法を検討中という。
すでに世界の人口の約50%が都市部に住んでいる現状がある。人がストレスを減らし、心安らかに暮らすためには、都市作りにも、植物や自然(vegetation & nature)をできるだけ都市に取り入れる「緑化整備(green infrastructure)」が欠かせないのだ。
(写真は添付のBBC Newsから引用)