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老化はとめられるか:研究報告 (BBC-Health, July 7, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/834/cpsprodpb/145A8/production/_84086338_thinkstockphotos-466377943.jpg

  その昔、「不思議な泉」があったという。あるとき、おじいさんが、山仕事から、なかなか戻ってこない。心配したおばさんが、ようすを見に行くと、冷たくてきれいな水がコンコントと涌く泉のそばで、赤ん坊が泣いていた。なんと、身に付けているのは、おじいさんの野良着であったそうだ。
 「若返り」、「不老不死」は、はるか昔から誰しもが、心の底から願った「夢」であり、しかし、決してかなえられることのない「はかない人間の性(さが)」であった。

  人は年をとると、体力が衰え、視力、聴力、記憶力、そして免疫力までも低下する。したがって、「老化(ageing)」を遅らせることは、社会の健全な労働力を維持し、かつ病気の罹患率や発症リスクを大幅に抑えることにつながる。

 世の中には、年齢が同じでも、随分と若い人もいれば、逆に老けて見える人もいる。
 それは、なぜか。そして、老化ににはどのような要素(factors)が関与しているのか。この課題に取り組んだ国際研究が、「Proceeding of the National Academy of Science」に発表された。
 調査に協力した被験者は、ニュージーランドの同じ町で1972~1973に生まれた954名の男女。その一人ひとりが、26歳、32歳、38歳になった段階で、体重(weight)、腎機能(kidney function)、歯肉の健全性(gum health)など18種目の健康度(ageing-related traits)の調査を受けた。

 その調査データの分析の結果、38歳になると、被験者間で、老化の個人差が大きく現われ(a huge gulf)、実際の年齢(chronological age)が38歳と同じでも、「生物学的年齢(biological age)」は、20代から60代 近くまで、幅広い値をとることがわかった。
 まるで、退職まぎわ(on the cusp of retirement)の年齢の人のように老けた若者は、つらそうで(look rough)、活力に欠けているように見える(They look lacking in vitality.)。その人達には、脳機能(brain function)が低下し、握力(grip)が弱くなる傾向も認められたが、その原因は不明である。
 あるグループの若者にとって、暦の上の1年で生物学的年齢が3年も進み、急速に老化するのは、なぜか。この問題に対する解答が、記事には示されていない。

 しかし、次の一文は重い。
 生物学的年齢が「働き盛り(working at their peak)」にあっても、暦の上の年齢が65歳に達すると、一律に退職せざるを得ない現行の制度は、不公平(unfair)だ。もっと公平で平等主義的(more fair and egalitarian)な観点に立つことができるはず。アメリカDuke大学のTerrie Moffitt教授の主張である。
                                   (写真は添付のBBC Newsから引用

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