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牛乳(ミルク):食卓にのるようになった経緯 (BBC-Future, July 6, 2015)

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 たまごとバナナが貴重な時代の子供の頃、「パンと牛乳(bread & milk)」は憧れの食べ物であった。テレビで観るアメリカ映画に、「パンと牛乳」の食卓シーンが良く現われた。

 今日のアメリカでも、嵐に見舞われると、人はパン、トイレット・ペーパー、それに牛乳の買いだめに走り回るそうだ。しかし、かの国やヨーロッパで、牛乳(fresh milk)が一般的に飲まれるようになったのは、19世紀末から20世紀に掛けての時代。それまでは、長期の保管・貯蔵に便利なチーズやバターとして牛乳が消費されていた。

 19世紀頃、牛乳は赤ちゃんの飲み物でもあった。しかし、衛生管理の悪い牛乳や粗悪品の出現で、乳児死亡率(infant mortality)が上がると、やがて、低温殺菌(pasteurisation)の導入を含む、安全基準の制定機運が高まる。

 一方で、この時期から、「食品と健康、医療」の関係が見直されてゆく。牛乳は、脂肪(fat)、炭水化物(carbohydrates)、タンパク質(protein)を含む健康食品(healthy food)、その上、簡単(simple)、素朴(earthy)、自然(natural)だ。酒(beer and spirits)は辞めて、牛乳に切り替えようとする動き(temperance movements)もドイツで現われる。

 このような背景を受けて、1920年辺りに、酪農家、科学者、行政が一体となって牛乳キャンペーン(campaign)を展開したとされる。これで、牛乳は普及し、栄養食品(nutritious food)として認められるようになった。

 現代人には、脂肪分の多い牛乳が嫌われている(raised eyebrows)という。また、「牛乳を飲むと、骨が丈夫になり、骨折しにくくなる」と言われるが、大規模な研究調査にもかかわらず、未だに、その証拠が得られていない。
 さらに、牛乳は、余り気味。その生産量の一部は、飛行機用プラスチック素材の生成に回されるほど。

 大事なことは、「牛乳(fresh milk)」だけを飲んで健康になる」とは言えない点だ。世の中に、それさえ口にすれば、全て事足りる「仙人の丸薬(magic commodity)」など存在しない。
                                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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