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宇宙探査機「ロゼッタ」:すい星「Comet 67P」の陥没ホールを探る (BBC-Science & Environment, July 1, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/695/cpsprodpb/BA8E/production/_83985774_whatsubject.jpg

  欧州宇宙機関(The European Space Agency, Esa)の宇宙探査機「ロゼッタ(Rosetta)」は、現在、地球から2億9千万㎞離れた宇宙空間で、すい星Comet 67P/Churyumov-Gerasimenkoの周回軌道に乗り、このComet 67Pの地形・活動状況を観測している。

 そのロゼッタが地球に送信してきた映像に、科学者が興奮している。表面がゴツゴツ(craggy)、形はアヒルに似たComet 67P(duck-shaped comet)。このすい星の北半球域(northern hemisphere)に、18個の円筒状陥没ホール(sinkholes)が発見されたのだ。直径が100mから200mで、深さは直径とほぼ同じ位。

 これは、メキシコ東部ユカタン半島のセノーテ(cenote)に似る。地球上の石灰岩地帯では、よく見られる陥没ホールだ。
 石灰岩地帯では、地下に浸透した雨水が地中の石灰岩を溶食して、空洞(cavities)ができる。やがて、その空洞が拡大すると、地表部が崩落し、陥没ホールが形成される。

 Comet 67Pは、45億年以前に、1mから3mほどの沢山の氷と岩石の塊(lumps and bumps)が集合し、形作られたと考えられているが、太陽に近づくにつれ、内部の氷が溶けて、蒸発(vaporise)し、地表部が陥落したものと推測されるという。

 研究者は、陥没ホールの観測を通して、Comet 67Pの内部の基本構造(fundamental structure)の解明に取り組むことができるようになった。

 来月の8月に、Comet 67Pは、その楕円軌道上で太陽に最も近づく点すなわち近日点(perihelion)に到達し、その後、太陽から離れて、太陽系外縁部(outer Solar System)に帰って行く。近日点では、Comet 67Pが1億8千6百万㎞まで太陽に近づくことになる。このとき、このすい星の地表温度は急増し、すい星の活動は最も活発になるものと予想されている。おそらくガスとチリの、とてつもないジェット(spectacular jets)が「すい星の尾」として観測されるはずだ。

 Comet 67Pの観測結果の詳細は、今週発行の「Nature journal」に発表された。

                                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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