漢方の霊芝(れいし)に痩せぐすりの効能 (BBC-Heath, June 24, 2015)
叢(そう)は「草むら」とも読む。ずいぶんと難しい漢字だ。この文字を一つ入れた「微生物叢」(microbiome)とは、ヒトの腸内に棲む微生物群、すなわち腸内細菌全体を表わす。
漢方でなじみの霊芝(Ganoderma Lucidum)またの名の万年茸(まんねんだけ)は、「不老長寿(health and longevity)」の薬として、古来、重宝されてきたキノコ(fungus)だ。
台湾の長庚(ちょうこう)(Chang Gung)大学の研究チームが、この霊芝の効能を動物実験によって確かめ、「Nature Communications」に発表した。使用したのは、高脂肪分のエサで十分に太らせたマウス。そのマウスに、今度は、霊芝の抽出液をエサに混ぜて2ケ月間与え、「痩せ薬効果」を調べたという。結果は「肥満の抑制」に効果あり。
さらに、そのマウスの糞(faces)を受容マウスに移す水平伝搬(horizontal trasnfer)実験の結果を踏まえると、霊芝の含有成分が、マウスの腸内細菌を、前生物的(pre-biotec)に換えているものと考えられる。
肥満に悩む人にとっては、とにかく朗報と言える。ただし、臨床試験で確認しない限り、人間に対する霊芝の効能を信じるのは早計であり、その服用には注意が必要だ。
腸内細菌は、消化(digestion)やエネルギー源の供給(release of energy)に深く関わっている。人間の「やせ形」と「肥満型」の体質を決めているのも、ある種の「腸内細菌」と言われているのだ。
「微生物叢」をコントロールし、「やせ形」を維持する、またはそれに近づくことが「食べ過ぎ人間」の夢、願望であろうか。
(写真は添付のBBC Newsから引用)