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頭の良い子:嘘つき上手 (BBC-Health, June 20, 2015)

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 「嘘の世の中」のお陰で、連日の新聞は、その種の記事に事欠かない。「嘘をついたら舌を抜かれる」とも言う。地獄の閻魔大王様は、それこそ寝る暇もないくらい、罪人の舌抜きに大忙しのはずだ。
 子供の約束事には、その昔、「うそをついたら、針せんぼん、のーます」と歌った。今はどうも違うようだ。

 アメリカNorth Florida大学、イギリスのSheffield大学、Stirling大学の児童心理学(child psychology)研究者が子供の嘘(porky)と記憶力との関係を調べ、その研究結果を「The Journal of Experimental Child Psychology」に発表した。

 この調査の実験には、イギリスの6歳から7歳の小学生114名に協力を願い、隠しカメラを設置した部屋で、簡単なクイズ(trivia game)に参加してもらった。このクイズの実験は、少々、質(たち)が悪い。子供には、「クイズとその答え」(question-and-answer)の表があらかじめ配られていて、やろうと思えば、クイズに対して、「ズル(cheat)」もできるようにしてある。子供が「自分のズルをどのように嘘をついて、ごまかすか」に焦点が絞られた実験である。

 

 このクイズ問答の実験で、答えを盗み見した子供の割合は4人に1人。さらに、この実験とは別に、同じ子供の被験者に言語の記憶力(verbal memory)テストも実施した。
 二つの調査データを付き合わせると、興味ある結果が現われる。つじつま合わで「ズル」を上手にごまかす子供は、記憶力が高い。ただし、視空間記憶力(visuospatial memory)には差が認められなかった。
 
 このことから、「うそ」をつく行為には「イメージ」よりも「言語情報」を論理的に組み立てる能力が関与していると考えられるそうだ。
 Sheffield大学の発達心理学者(developmental psychologist)Dr Elena Hoickaは次のように指摘する。「子供が噓をつくと、親はがっかりするが、上手に噓がつけるということは、むしろ喜ばしいことなのだ。それは、子供の思考力、記憶力がともに上がっている証拠」。  研究者の次のねらいは、子供は嘘をつくことをどのようにして学ぶか、にあるそうだ。

 さて、振り返って、大人の嘘。おとな社会では、「10分以上顔を合わせる社交の場で、およそ5回に1回は、嘘をついている」、と言われる。
 「うそも方便」、「うそも芸」と気楽に嘘も「ごまかし」もできる。しかし、「嘘は盗人(ぬすっと)の始まり」。これもしかり。
                               (写真は添付のBBC Newsから引用)

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