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農業を守るためには、ミツバチを守れ:研究報告 (BBC-Science & Environment, June 17, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/736/media/images/83670000/jpg/_83670462_c0223558-buff-tailed_bumblebee_on_a_pansy-spl.jpg

  蜂はハチでもいろいろだ。スズメバチはどの種の顔も恐ろしげで、攻撃的(aggressive)。これに比べて、ミツバチは平和的(amicable)。草花の蜜をせっせと集めて、人間にハチミツ(honey)を与えてくれる。

 さらにミツバチは、ありがたいことに、菜種(oilseed rape)、りんご(apple)、いちご(strawberry)などの農産物の受粉作業(pollination)を担ってくれている。イギリスでは農産物受粉の80%が野生のミツバチ(wild bee)頼みだ。この貢献度を金額に換算すれば、約10億ポンド(1,900億円)に達すると見積もられている。

   国際的な科学者研究チームが、世界5大陸で農産物の受粉に関与しているミツバチの実態調査を行ない、その結果を「Nature Communications」に発表した。その研究によると、ミツバチの受粉活動は、地球全体で、1ヘクタール当たり1,900ポンド(約37万円)の価値があることになる。 

 人間が自然(nature)から受けるこのような恩恵、いわゆる生態系サービス(ecosystem service)を今後も維持するためには、人間と自然との「相互メリット」(win-win situation)をもっと大事にする必要がある。目先の収入・効率を重視した集約型農業が、本当に「理想とする農業なのか」と疑問になる。農地の周りに緑地を設け、野生生物に住みよい環境を整えるならば、生態系サービスが増大することは明らかだ。

 なお、現在、農産物の受粉の働き手となっているミツバチは、ミツバチ全体のわずか2%に当たるマルチハナバチ(bumblebee)と単生バチ(solitary bee)の仲間だ。この種の仲間が今後も「働き手」となってくれるかは、誰にもわからない。気候変動や環境の変化に対応できるかは不明なのだ。したがって、生物の多様性(biodiversity)および食料安全保障(food security)を維持するためにも、保護するミツバチ種を特定することなく、幅広い種のミツバチの生息環境に目を向け、その保護の活動を進めていくことが求められている。

                                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

 

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