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「ムチャ クチャラ王」記念碑:英雄WW1パイロットよ永遠に (BBC-News, June 7, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/660/media/images/83447000/jpg/_83447660_warneford_030-portrait.jpg

 18世紀のイギリスの作家スウィフト(Jonathan Swift)が1726年に出版した「ガリバー旅行記(Gulliver's Travels)」では、天空に浮かぶ「飛び島ラピュタ(Laputa)」が登場する。

 そして、その174年後の1900年、ドイツは、ラピュタのように空に浮かぶ巨大な飛行船Zeppelin(ツェップリン)を建造し、1915年には、改良を重ねたZeppelinでロンドンを爆撃する。この爆撃で3歳の子供が犠牲になり、この飛行船は「赤ん坊殺し(baby killers)」として世に知れ渡ることになる。第一次世界大戦(World War I)のことだ。

  ドイツ空軍の飛行船Zeppelinの航行速度は時速137 km。空から突然に現れた巨大な「ラピュタ」の攻撃に、イギリス人は絶望に追い込まれる。誰もが当時のドイツの科学技術に圧倒され、Zeppelinは無敵(invincible)のように思われたのだ。

  しかし、イギリスに転機が訪れる。昨日の2015年6月7日(日)から丁度100年前の、1915年6月7日のこと、1人の若いパイロットが、この無敵のZeppelin LZ 37 を急降下爆撃で撃墜する。英国海軍航空隊(Royal Naval Air Service)のReginald Warneford(レジナルド ウォーンフォード)中尉。このとき、若干23歳。荒くれで、うぬぼれで、変わり者。同僚の誰からも好かれることなく、上官からは、「いつかとんでもないことをしでかすか、自殺してしまうような奴」と言われた男だ。

 Warnefordはこの捨て身の活躍で、ビクトリア十字勲章(Victoria Cross, VC)の栄誉を受ける。それ以降、彼の功績と無謀な性格を表わした「Reckless Rex(ムチャ クチャラ王)」の愛称で呼ばれることになる。さらに、その10日後、パリに招かれ、フランスから「レジオンドヌール勲章(Légion d'Honneur)」を受ける。まさに絶頂の時だ。祝賀パーティの後、フランスの新型飛行機のテストパイロット役を引き受けたWarnefordは空に飛び立つが、飛行機は墜落し、彼の最後となった。現在、ロンドンのブロンプトン墓地(Brompton Cemetery)に眠る。
 
 彼の死後100年を記念して、この度、Warnefordの母の生地、Devon州のExmouthの公園にも、Warnefordの功績を称えた記念碑を設置することにしたと、記事は伝える。

        (写真は添付のBBC Newsから引用)

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