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「病的、痩せぎすモデル」:イヴ・サンローラン広告採用禁止 (BBC-News, June 3, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/834/media/images/83388000/jpg/_83388121_027501927-1.jpg ファッション(fashion)とは、「今様」、今風のこと。ラテン語で「行なう、作る」を意味するfacereが語源とされる。

 人間、流行に惑わされてはいけない。「新しいもの、本物にあらず」(What is New cannot be true.)ということわざがある。しかし、一方で、「ファッションなくして生きる世界なし」(Better be out of the world than out of the fashion.)と豪語する、17世紀生まれのことわざもある。

  他人が何をどう言おうが、ファッションは、確かに個人の問題。
 けれど、社会的に大きな影響力を持つ「イヴ・サンローラン」が、そのファッションの広告で、まだ善悪の判断力もおぼつかないうら若い少女に、「ゆがんだ理想象」のメーセージを送り続け、その結果、少女たちが混乱に陥ってしまったとしたら・・・。英国摂食障害支援団体(The charity Anorexia and Bulimia Care, ABC)が立ち上がる。ファッションの「見直し」をと。

 問題の発端は、女性ファッション雑誌「エル」(英国版)に掲載された一枚のモデルの写真。胸あきドレスを着て、床に横たわる。その胸元は痩せて骨張っている。投げ出された両足の太ももと足首の太さが、ほとんど変わらない。
 雑誌を見た読者から苦情が出た。「病的に見えるくらい痩せたモデルを採用するなんて、無責任」。

 そして、英国広告基準局(The Advertising Standards Authority, ASA)が動いて、表題の禁止令となった。「今後、同種のモデル写真広告は一切禁止。広告には社会に対する責任がある。」
   
 困ったことに、イヴ・サンローランの発した「ゆがんだ美のイメージ」(distorted image of beauty)は、すでに、イギリスの若い少女たちに定着してしまっていた。英国国民保健サービス(The National Health Service, NHS)の発表では、過去3年間で、摂食障害(eating disorder)で入院した10代の子供の数が、ほぼ2倍に増加したのだ。

 健康を願う心と、美しくありたいと願う心のバランス。女性にとっては、とてもむずかしく、また深刻な問題のようだ。

               (写真は添付のBBC Newsから引用)

 

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