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ダイアモンド:宇宙で生まれ、地球に落下した結晶 (BBC-Earth, May 28, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/624_351/images/live/p0/2s/c6/p02sc6y3.jpg

 西の空が夕日で紅く染まり、やがて、太陽が遠くの山際に消えて、空に星が輝く暮れ時、青みがかった黒のキャンバスに、「スー」と1本の明るい線が走る。流れ星(meteor)だ。その流れ星の多くは、地上に届く前に、燃え尽きてしまうが、中には、「着地」に成功するものもある。これが隕石(meteorite)。
 2つの言葉はずいぶんと響きが違うが、英語の隕石はmeteor(流れ星)に-iteを付け足した語になる。

 2008年、スーダンのヌビア砂漠(Nubian Desert)に隕石が落ちた。この隕石、実は、地球に近づいた時点で、マークされていた。さっそく、隕石ハンターが駆けつけた。今や隕石の採取・販売は、立派なビジネスになっている。期待たがわず、たくさんの隕石のかけらが発見されて、アルマハタ・シッタ(Almahata Sitta)隕石と名付けられた。

 その隕石からダイヤモンドが見つかる。その結晶の大きさは直径40µm程度。しかし、中には約100µmの結晶も混じっていた。ダイヤモンドは、結晶の成長過程「生いたち」をその劈開(結晶面)に刻む。結晶は壊れても、その誕生の歴史を残すのだ。広島大学宮原政明准教授らの研究チームが隕石から取り出したダイヤモンドを調べたところ、結晶の劈開は、どのダイヤモンドも同じであった。

 このことは、一つの大きなダイヤモンドの塊が小さな無数の「かけら」に砕け散ったことを意味する。では、どこで、このダイヤモンドが生成されたのか。研究者らの答えは、微惑星(planetesimal)。惑星(planet)よりも小さく、小惑星(asteroid)より大きい、直径10 km程度の小天体だ。

 太陽系が、宇宙に誕生して間もない、太陽系の8つの惑星がまだその形も周期軌道も安定していない頃には、無数の微惑星が宇宙空間に存在し、互いに衝突を繰り返していたと考えられている。

 そのような微惑星でダイヤモンドの結晶が大きく成長したが、太陽系形成初期の微惑星間等の衝突によって、宇宙に、広く砕け散ったものと推測されるのだ。

         (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com