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北極上空のオゾンホール:モントリオール議定書の果たした役割 (BBC-Science & Environment,May 26, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/590/media/images/83171000/jpg/_83171215_image1.jpg      太陽の強い紫外線は人の皮膚組織を破壊し、皮膚ガンの発症リスクを高める。

 1985年、北極上空でオゾンホールが発見されると、世界主要国は、オゾン層を破壊する化学物質の規制に動き、1987年モントリオール議定書を採択した。しかし、実はこのとき、南極上空にもオゾンホールが確認されていたのだ。

 「もしも、この議定書をまとめる会議が失敗に終わり、フロン等の化学物質の生産・使用が野放しになっていたら、どうなっていたか」。イギリスLeeds大学の研究者が、この問題にコンピュータシミュレーション解析で取り組み、研究内容を「The Journal of Nature Communications」に発表した。

 その解析によると、1987年当時、国際社会が何も対策を取れず、大気圏の悪化を放置していた場合、南極上空のオゾンホールの規模が、2013年には40%も拡大する結果が得られた。さらに、この拡大は、北極上空のオゾン層にも、同程度の規模で影響を与えるため、北半球の中緯度に位置し、人口密度の高い国々には、深刻な被害を与えた可能性がある。

 オゾン層が破壊されると、太陽の紫外線の強度UVレベルが急増する。オーストラリア、ニュージーランド、イギリスの各国では、UVレベルが10%上昇し、皮膚ガンの高い発症リスクにさらされたことになる。

 幸いなことに、イギリスの南極基地の観測調査では、南極上空のオゾン層の状態に回復の兆しが認められ、有害な塩素clや臭素Brの濃度が下がり続けていると言う。

                       (写真は添付のBBC Newsから引用)

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