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エルニーニョ:「食品市場は大混乱」となるか (BBC-Science & Environment,May 21, 2015)

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 「エルニーニョ」。これまで干ばつや洪水などを引き起こしてきた、やっかいな気象現象だ。今年は、そのエルニーニョの兆しがすでに確認されていて、中規模程度に発達すると予想されている。Adam Scaife教授によると、この年末までに発生する確率は70%。

  赤道付近の太平洋上空では、東から西に向かって(アメリカ側から日本に)、貿易風 が吹いている。この風が弱まると、暖かい海水面が西に吹き寄せられなくなり、アメリカ大陸側の赤道海域の海水温度が上がり続ける。温度上昇は水分の蒸発を活発化させるため、上昇気流を生み出して、低気圧を発達させ、多量の雨を降らせる。これが、エルニーニョ(現象)の発生メカニズだ。この局地的な海域の温度上昇は、ドミノ効果となって世界各地の気象に異変、すなわち「異常気象」をもたらす。

  エルニーニョは、地球の気象サイクルの一環として、これまで、およそ、7年に2回の頻度で発生している。しかし、地球温暖化により、その発生頻度は今後増加し、2050年以降には、発生頻度が2倍になると予測する計算結果もある。

 5年前に発生したエルニーニョは、世界中に農業被害・災害を引き起こした。東南アジアでは雨の少ないモンスーン、豪州・フィリピンで干ばつ、米国には猛吹雪、ブラジルで熱波、メキシコでは異常洪水、等々。

 今の段階で、正確なエルニーニョの規模を予測するのは、時期尚早とし、これまでのエルニーニョは、その特徴が全て異なるため、被害を推定することも困難とする。しかし、どのエルニーニョにしても、世界的な規模で農業生産物の価格に影響を与えてきたことは事実だ。早ければ、この6月に、遅くとも年末には発生が予測されている2015年版エルニーニョ。米、穀物、大豆、コーヒー、ココアなどをはじめとする食品価格の上昇が懸念されている。

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