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哲学者は考える:珈琲(コーヒー)とはいかなるものか (BBC-Future,May 18, 2015)

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 「コーヒーはエスプレッソに限る」、「いや、カフェオレだ」、「そうじゃない、アメリカンが最高だよ、君、・・・」。コーヒー党の面々には、それぞれの好みがあり、主張がある。
 では、哲学者はコーヒーをどう見るか。表題の記事は、コーヒーの違った側面に光を当てる。「好みのコーヒー」とは、そして「その好みにこだわる心の内面」とは、どのようなものか。
 まず、一杯のコーヒーを飲むとしよう。するとカフェインが知覚を刺激し、活動スイッチがオンになる。そこで考える。浅煎りコーヒーは、酸味が強いがスッキリした味。一方、深煎りコーヒーは、酸味を抑え、コーヒー豆のタンパク質と酵素を引き出した濃厚な味。しかし、コーヒーの味を絶対的に決めているのは、コーヒー豆にわずか0.5%しか含まれていない成分カフェオール(caffeol)。これがないと、その一杯はコーヒーにならない。この点で、色々な成分が混じり合って独特な味を醸しだす東洋のティー(お茶)とは、根本的に違う。まさに、コーヒーの味は、西洋の「単独・断トツ好み」が反映された飲みものだ。
 それにしても、各種のコーヒーに微妙な風味の違いを感じるのは、なぜか。それは、ほとんど「錯覚(illusion)」の世界だと、哲学者は答える。コーヒーを舌で味わう前に、香りを楽しめるが、実はその香り(aroma)が複雑な風味と深みを創りだしているだ。

  この数十年間で、大衆のコーヒーの好みは、「酸味・スッキリタイプ(sour and light)」と「濃厚・ビタータイプ(dark and bitter)」が繰り返し、入れ替わる傾向にある。深煎りコーヒーのブームの後で、浅煎りコーヒー(缶コーヒー)が店頭に並び、やがて、スタバ(Starbucks)コーヒーのような「ビター」が盛り返す。最近は、再び、酸味や香りのブレンドを楽しむコーヒーに人気が出始めている。

 コーヒーの好みは、心の内面の主張だ。個人の性格やものの考え方と同様に多様である。このことは、簡単な決め事でも、まとめるのが、なかなか難しいことにつながる。

          (写真は添付のBBC Newsから引用)

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