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オゾンホール:その発見が世界を変えた (BBC-News,May 16, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/660/media/images/77516000/jpg/_77516174_77516173.jpg

 地球の成層圏(約10km~50km上空)に留まるオゾン層は、太陽からの強烈な紫外線を吸収し、皮膚ガンの危険性から守ってくれている。

 今からちょうど30年前の1985年、英国南極調査所(British Antarctic Survey)の研究チームが、南極大陸上空にオゾン層の空白帯すなわちオゾンホールが存在すると発表した。これによって、その後、「世界はどのような変化を迫られたか」。これが表題の記事の内容である。
 
 変化は主として、4点に認められる。1)日光浴ブーム、2)フロンガスの規制とその代替品の開発、3)国際協定の動き、4)環境問題に取り組む政府の姿勢。

 1985年以前の夏のバケーションと言えば、海外のビーチや山で、皮膚をコンガリと灼いて空港に降り立つことが憧れであった。日焼け肌が好まれたのだ。その後、情勢は一変し、現在、どの化粧品会社も、日焼け止めクリームの宣伝に余念がない。

 次に、矛先はフロンガス(chlorofluorocarbons, CFCs)に向けられる。これを使ったスプレー缶や冷蔵庫を製造、販売するメーカーは、すぐに代替品を探さざるを得なかった。
 
 そして、オゾンホールの論文発表からわずか2年後の1987年、「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が、46カ国間で採択された。世界の関係国が危機感と問題意識を共有し、これほど迅速に「採択一致」に至った例は、珍しいと言われる。


 この動きは、国内の政治にも影響し、それまでの政治家にとって、環境問題とは、その騒ぎを抑えるために、一部お茶を濁すような対策で乗り切る類いのものであったが、1985年以降、政治の中心課題の一つとして、あるいは「環境(environment)」を前面に出して、真摯に取り組む姿勢が、政治家に求められるようになったのだ。今や「環境」を曖昧に,ぞんざいに扱うことはできない。

     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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