ディストロピア(地獄郷)の湖,そこはハイテクに群がる世界中の人間の欲望で満ち溢れた泥沼
レア・アース(ニオブ、セリウムなどの希金属元素)がないとスマートフォンも液晶テレビもコンピュータ、ハイブリッド車だってつくれない。ところが2009年の実績では、世界のレア・アース需要の95%を中国が押さえている。
Tim Maughan記者はレア・アースの産出地として名高い包頭市(中華人民共国内モンゴル自治区)の包頭鉄鋼ーレア・アースコンビナートを取材した。市の中心から車を走らせること20分で、巨大な人口湖に到着した。そこは周辺に立ち並ぶレア・アース精錬所から幾本ものパイプラインで流されたスラッジの終着地である。イオウの臭いとパイプラインの出口からゴウゴウと噴出する流れの音で感覚がおかしくなりそうであった。
IT産業は次々と新製品を世に送り出して消費者の購買欲を駆り立てるが、それらの製品は、そもそもこのような地から、大変な自然環境の犠牲を払って生み出されたレア・アースがあってこそ、作り出されたものである。このリポートは、このことを忘れることはできないと結ぶ。
(写真は添付のBBC Newsから引用)