ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

筋肉モリモリで女性にアピール:でも結婚して子どもができない! (BBC-Health, May 20, 2019)

f:id:hiroshinews:20190604061337p:plain

 せっせとジムに通って「ダンベル (dumbbells)」で腕、肩・胸の筋肉を鍛えるのも良いが、余りにボディビルに凝りすぎて、筋肉増強剤を使うようになると、「気付かないうちに (inadvertently)」深刻な問題が起こる。

 これ見よがしに、筋肉隆々の体を他人に、とくに女性にひけらかしたところで、見た目ほど健康とは限らないし、何しろ、「evolutionary dud (進化上の落ちこぼれ)」になってしまう。結婚しても子どもができない体の「infertility (不妊症)」だ。

 ボディビルダーが常用する筋肉増強剤「anabolic steroids (アナボリック・ステロイド)」は男性ホルモン「testosterone (テストステロン)」と似たような働きがあり、これを多用すると、「brain's pituitary gland (脳下垂体)」を狂わし、「testes (睾丸)」が多量にホルモンを分泌していると勘違いしてしまう。すると、その反動が起こり、精子をつくるために欠かせないFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)の分泌を止めてしまう。
 これで「sperm」は不妊の原因の「seedless (種無)」。

 同じような働きは、育毛剤「finasteride (フィナステライド)」にも認められ、体内で代謝されて脱毛を防ぎもするが、副作用もある。「erectile dysfunction (ED)」に「infertility (不妊症)」。
 脱毛 (baldness)は「hit-and-miss (良くもなれば、悪くもなるもの)」。とは言え、育毛剤の売れ行きは、「going through the roof (天井知らず)」の勢いとか。

 なお、「男が男らしさを誇示する体になれば、男の機能を失う」、この矛盾。これを発見した科学者の名前に因(ちな)んで、「Massman-Pacey paradox (モスマン・ペイシィ パラドックス)」と呼ばれる。

 近年、病院の外来に、子どもができない夫婦の相談が増えたそうだ。

               (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com

AI (人工知能)ガン診断:スペシャリスト集団よりも遙かに正確・優秀 (BBC-Health, May 20, 2019)

f:id:hiroshinews:20190603060516p:plain

 「Artificial Intelligence (人工知能AI)」が、医者のガン診断能力を超えた。これは、この5月20日(月)に発行された医学雑誌「Nature Medicine」の話題だ。
 肺ガンは年間180万人以上の命を奪う恐ろしい病気。とくに、喫煙者に、その発症リスクが大きい。USでは昨年16万人が肺ガンで死亡している。

 このため、政府当局はガン検診を推奨している。しかし、医者の誤診が少なくないという。ガンでも何でもないのに、医者は己の診断結果に固執して、「biopsy (生体組織診断、バイオプシー)」と称し、患者の正常な肺組織を切り取る。あるいは外科手術さえすることもある。逆に、悪性の腫瘍を見落としてしまうこともある。

 そこで、Northwestern大学のDr Mozziyar Etemadi、Googleの Dr Daniel Tseらの研究グループは肺ガンの高性能AI診断システムを開発した。
 肺ガン患者約15,000人のCTスキャン画像42,290枚をコンピュータに読み込ませ、「何がガンで、何がガンでないのか」を教えた上で、その診断性能をスペシャリスト・チーム (放射線科医6人) の診断結果に比較した。

 すると、なんと、1枚のCTスキャン画像を使った診断では、AIが勝利。スペシャリスト集団に複数のCTスキャン画像を使わせて、ようやく五分五分の成績だった。
 AI診断では、人の目では分かり難い「subtle patterns (微妙な腫瘍パターン)」を判別し、肺ガンの診断 的中率は、従来に比べて5%増の94%を達成し、健康な人をガン患者と見まちがう「false-positive (偽陽性)」診断を11%も減少させることに成功した。

 医師不足どころか、これでは、誤診の多い、いい加減な医者は不用になる。医者は多忙を理由に、その診断・治療に手を抜いてはならない。

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The New York Times」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

The New York Times: May 20, 2019
A.I. Took a Test to Derect Lung Cancer, It Got an A.

            (写真は添付のBC Newsから引用)

www.bbc.com

体に合った服は買わない:美容整形で、服に合わせた体に変える! (BBC-Health, May 20, 2019)

 f:id:hiroshinews:20190531070719p:plain

 誰でも有り余るお金を持っているわけではない。それでも、他人の目を気にせず、好き勝手なことができる時代になった。
 ただの「駆けっこ」なのに、「ランニング」と呼び、シューズ、パンツ・ウェアなど一流選手並の「ランニング用具一式」を揃える。また、「サイクリング」を始める気になると、専用のシューズ、ヘルメット、手袋にパンツ・ウェアをスポーツ専門店で購入し、競技用の高価な自転車を用意する。

 ところが、その興味が長く続くことはほとんどない。もともと、努力することも、汗を流すことも嫌いな人が、スポーツ選手 (新語はathletes)のまねごとをしたところで、「自分の未熟さ」あるいは「a fear of being judged (レベル評価の恐れ)」から、すぐに運動をやめてしまう。

 それでも、流行(はやり)の、体にピッタリした「athleisure clothing (アスリージュア・パンツ)」は穿(は)いてみたい。でも、お腹もお尻もブヨブヨで、とてもフィット・パンツは無理。
 それならばと、UKの女性がとった戦略は「liposuction (脂肪吸引)」。部分的に体の脂肪を除去する美容整形だ。その主流は、体に与えるダメージが小さいとされる「fat-freezing method (脂肪凍結法)」。お望みの部位の脂肪細胞を、その氷点4℃に冷却して死滅させる方法という。

 しかし、美容整形のリスクがゼロではない上、それで体重が減るわけでもない。にもかかわらず、「The British Association of Aesthetic Plastic Surgeons (英国美容整形協会)」のMr Rajiv Groverによると、2018年にUKで実施された「liposuction (脂肪吸引)」件数は、前年比に比べて12%増の2,286件であった。

 いやはや、とんでもない時代になった。体に合った服を買わずに、服に合わせて、体を整形手術するなんて......,.。

               (写真は添付のBBC Newsから引用

www.bbc.com

 

がん細胞はしたたか:ならば、だまして進化させ、叩きつぶせ! (BBC-Health, May 16, 2019)

f:id:hiroshinews:20190530110215p:plain

 ガン腫瘍細胞を叩きつぶす、画期的な「荒技」の開発に成功した。
 ガンの治療に適用される、抗がん剤を用いた「chemotherapy (化学療法)」。患者は体の正常な細胞も傷つけられ、ボロボロになるが、医者は、これで、ガン細胞の増殖・転移が抑えられると言って、慰める。

 ところが、どっこい。ガン細胞はしたたかだ。抗ガン剤で死滅することは、ほとんどない。それは、まさに、ゴミ捨て場のハエを殺虫剤で絶滅させようとするようなものだ。
 どんなに、強力な殺虫剤を使っても、100%のハエを死滅させることは不可能。生き残ったハエは殺虫剤に抵抗力をもつように進化し、それまでの殺虫剤が何の効果も果たさなくなることは、よく知られた事実。

 ガン細胞も同じで、抗がん剤に順応できるように、自らを進化させて、抗がん剤に対して抵抗力を身に付けてしまう。
 そればかりか、免疫システムの役割を担う、タンパク分子(protein molecul)の「Apobec」

・Apolliprotein B mRNA editing enzyme, catallytic polyprepide-like
 (アポリタンパク質B-mRNA編集酵素触媒ポリペプチド様物質)

をハイジャックして、増殖を続ける。

 これでは、一旦、回復したかに見えたガン患者も、医者も、なすすべがない。ガン細胞は、すぐに再発 (relapse)し、いとも簡単に患者の命を奪う。

 それでは、どうすれば良いか。
 「The institute of Cancer Research (英国ガン研究所ICR)」の Paul Workman教授らの研究グループは、これまで、ハイジャックされた「Apobec」の機能を停止させる薬剤の開発に成功しているが、今回、さらに、ガン細胞の進化を巧みに操(あやつ)る「breakthrough treatment (画期的な治療法)」を開発した。

 ガン細胞は、抗ガン剤から逃げるために進化する。これをくい止められないのであれば、待ち伏せ攻撃できるような道に誘い込む方法、すなわち「evolutinary herding (進化の誘導)」しかない。ガン細胞を「vulnerable cells (脆弱な細胞)」に進化させて、これを叩きつぶす作戦だ。
 初期の実験では、有望な成果を得ている。ただし、この治療法が実用化されるまでには少なくとも10年は必要とか。
                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com

グルコサミン・サプリに:心臓疾患のリスク減少効果があるって? (BBC-Health, May 15, 2019)

f:id:hiroshinews:20190529043555p:plain

 「薬 (くすり)」は、なにも医薬品 (medicines)だけとは限らない。『苦労は身のくすり』とも言う(学研 現代国語辞典)。金田一春彦氏は、その辞典の中で「心や体のために役立つ物事」とも定義する。したがって、入浴に運動や懐石も、りっぱな「薬」ということになる。

 我儘で、社会のルール・法律を守らず、約束を守らず、自分の利得のために好き勝手なことをする人は、全く、打つ手なし。そんなとき、下世話なことわざで『「馬鹿につける薬はない』と、罵(ののし)る。この諺 (ことわざ)の「薬」は、前述の「苦労」の範疇に入り、英語の「remedy (療治、療法)」がふさわしい。
 少々しつこいが、「馬鹿につける薬はない」とは「No remedy for a fool.」あるいは「There's no remedy for a fool.」。

 さて、薬局 (pharmacies)や健康食品店 (health food shops)で販売されている「グルコサミン・サプリ(glucosamine supplements)」も「remedy (療法剤)」であって、「medicines (医薬品)」ではない。「supplements (サプリ)」は「健康補助食品」とも呼ばれるゆえんだ。
 このサプリを次のような疾患の治療に利用する人もいる。

・joint pain:関節痛
・osteoarthritis:変形関節症
・other joint disorders:その他の関節疾患

 しかし、NHS (国民保健センター)のガイドラインによると、グルコサミン・サプリは変形性関節症の治療に向かないとされる。
 そもそも、『関節痛などの症状に「glucosamine supplement」が治癒効果あり』とする主張は沢山あっても、その根拠が定説として認められておらず、検証データも少ないのだ。

 「glucosamine (グルコサミン)」は人間の「joint cartilage (関節軟骨)」の中に存在する化学物質。そのサプリは、化学合成によって、あるいはカニ・エビなどの「selfish (甲殻類)」から抽出された「active ingredients (活性成分)」によってつくられ、販売されている。

 ところが、USのTulane(テュレーン)大学の Dr Lu Qiらの研究グループが、UK在住の約466,000人を対象にして、7年間(2006-2010年)にわたる「lifestyle survey (ライフスタイル聞き取り調査)」を実施したところ、調査対象者の約 5人に1人が「glucosamine supplement」を飲んでおり、飲んでいない人に比べて、「cardiovascular diseases (心循環器系疾患)」の発症率が約15%低かったと「The British Medical Journal」に発表した。

 ただし、なぜ、このサプリが「heart and artery diseases (心・血管疾患)」のリスクを低減させているのかについては、明らかにされていない。
 Glasgow大学の Naveed Sattar教授によると、この研究結果だけで、グルコサミン・サプリの医療効果を決めつけるのは時期尚早。医療効果を医学的に確認するためには、とにもかくにも「trials (臨床試験)」が欠かせないと主張する。

 なお、次の人は「glucosamine supplement」を避けた方が良い。

甲殻類(カニ・エビなど)アレルギーの人
・妊娠中あるいは授乳中の女性
・ワルファリン (warfarin)を服用中の人

 なお、このサプリを飲むと、抗ガン剤によっては、その効果が薄れるものもあり、また、 副作用を起こすこともある。注意が必要だ。

むすび:たとえ、1億人を対象にした聞き取り調査であれ、たとえば「足が長い人が長命」との統計データ解析結果が得られたところで、医学的には何の意味があるのだろう。科学の世界では、「なぜ」の質問に対して、的確な検証データを示した上で、論理的に答えられなければならない。

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「UPI」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

UPI: May 15, 2019
・Arthritis supplement glucosamine may lower heart disease risk

               (写真は添付のBC Newsから引用)

www.bbc.com

ウルトラ加工食品:一度食べると、もっと食べたくなる! (BBC-Health, May 16, 2019)

f:id:hiroshinews:20190528065223p:plain

 大学の学生食堂では若ものの食の嗜好傾向が、よく見える。かって、スコッチ・エッグが人気をはくし、鶏肉の唐揚げが好まれたり、大盛りの味噌ラーメンに注文が殺到したときもあった。ところが、この頃は、ご飯の代わりに、ドーナッツやケーキを昼食時のトレーに乗せる男子学生も現われた。
 食の好みは千差万別とは言え、人ごとながら、あれで「健全な食生活 (healthy diet)」が保てるかのかと、心配にならなざるを得ない。

 さて、WHOは「ultra-processed foods (ウルトラ加工食品)」には発がん性があると警告する。しかし、人はなぜ、この、鮮やかな着色料で色づけられ、あれやこれやの化学化合物で味付けされた加工食品に手を出してしまうのだろうか。

 「The US National Institute of Health (アメリ国立衛生研究所)」の Dr Kevin Hallらの研究グループが、ウルトラ加工食品に関する興味深い実験を行なった。
 まず、糖分、炭水化物、脂肪、食物繊維などの成分をまったく同じに調整した2種類の食品、すなわち「ウルトラ加工食品」と、魚介類や野菜・果物からなる「自然食品(unprocessed foods)」をそろえた。その上で、ボランティア20人に研究室で寝泊まりしてもらい、2週間ごとに、どちらかの食品を好きなだけ食べてもらったという。

 その結果、ウルトラ加工食品を2週間食べ続けると、自然食品を食べるときに比べて、1日当たり505カロリーも過剰に摂取し、2週間で体重が約 1kg増えることが分かった。

 人が自然食品を食べると、「appetite-suppression hormones (食欲抑制ホルモン)」の一種「Peptide YY」が分泌され、「hunger hormones (飢餓ホルモン)」の「ghrelin (グレリン)」の分泌が抑制される。ところが、どうやら、ウルトラ加工食品には、このホルモンの分泌システム変えてしまう働きがあるらしいと、研究者は見る。

 確かに、ピザ・ハンバーグ、即席ラーメンは、電子レンジでチンあるいはお湯を注ぐだけで簡単に食べられる。その上、食事代も安上がり。味だってそこそこ。
 しかし、食品のパッケージに表示された成分表には、日本語であれ、英語であれ、数え切れないほどの成分が、小さな文字で書き並べられているはずだ。
 f:id:hiroshinews:20190528065659p:plain
  Dr Hallによると、どんなものが「ウルトラ加工食品」かと聞かれると、その答えは、何が「pornography」に当たるのかと同じくらい難しいそうだ。しかし、確実な「危険信号 (warning signs)」は、次のとおり。

・ingredients you cannot pronounce.
・more than five ingredients listed on the packet.
・anything your grandmother would not recognise as food.

・読めない成分が含まれるもの
・成分表欄に5種類以上の成分が書き込まれているもの
・おばちゃんには食べ物だと分からないもの
 
 ウルトラ加工食品は、便利だがリスクの大きい食べ物。口当たりが良くて美味しい。これを食べると、「もっと食べて、もっと食べろ」と、どこからか、ささやく声が聞こえる。あれは悪魔の声か。
               (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com

想定は100 年に一度の災害:「600年に一度」級が発生しているのに! (BBC-News, May 21, 2019)

f:id:hiroshinews:20190527053619p:plain

 「100年に一度」の災害とは、めったに、あるいはほとんど起こらない事象 (events)として考えられ、災害が起きる確率はゼロでないにしても、極めて小さいことを強調するために使用されてきた。少なくとも、原子力発電の安全性については、専門家を自称する発電所側の技術者が、一般住民を説得する説明会などで多用して来た言葉だ。

 ところが、当の福島第1原子力発電所事故 (2016年)の他にも、阪神・淡路大震災 (1996年)をはじめ、専門家の予測をはるかに超えた豪雨、地震、台風、火山噴火が日本列島を襲い、その都度、沢山の幸せな家庭の生活・生命をことごとく、打ち砕いた。

 今や「50年に一度」は、災害ニュースで頻繁に耳にする。それでも、原子力発電やエネルギー開発業者あるいは政府関係者は、災害規模とその発生確率を何とか小さく見せようと、汗だく、血眼になって「抜け道」を探す。しかし、安全性に「100年に一度」を持ち出すことは時代遅れとなった。とにかく、「災害確率をできるだけ小さくして、安全性を少しでも大きく評価しようとする」根性・姿勢は、人の生命を軽 (かろん)ずるものだ。

f:id:hiroshinews:20190527053906p:plain

 現に、「600年に一度」規模の大洪水災害が、2015年、UKで起きた。「Storm Desmond (デスモンド暴風)」だ。24時間で 341mmの豪雨をもたらし、数千戸の住宅・事業所が浸水にあった。England北部の Cumbria (カンブリア州)では被害総額£1.3bn (約1,800億円)に達したとされる。

 「Storm Desmond」がどれほど激しいものであったか。Liverpool大学の Richard Chiverrellらの研究グループが、Cumbria湖水地方の「Basseenthwaite Lake (バセントウェイト湖)」の湖底に流れ着いて堆積した岩屑(がんせつ)を調べたところ、大洪水の流れによって大きな石ころが近くの丘や流域から流されていたことが分かったという。その大洪水の規模・エネルギーは「600年に一度」のレベルと判定された。(研究の詳細は「Earth Surface Processes and Landforms」に発表。)

 気候変動 (climate change)が、度重なる極度の「気象災害 (weather events)」を引き起こし、その大災害は、だれも「unprecedented (予測不可能)」になったのだ。

 2019年の春は、全国的に雨不足・猛暑の4月、5月となった。何しろ異常気象のこと。このまま晴天が続いて、何事 (自然災害)も起こらないと考えるのは、稚拙な予測だ。          

                                                               (写真は添付のBC Newsから引用)

www.bbc.com