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ダンプ約700台分の宇宙ゴミ:「一網打尽」作戦が始まった! (BBC-Science & Environment, April 2, 2018)

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 大型ロケットが開発されると、各国は競うようにドンドン人工衛星 (satellites) を打ち上げてきた。しかし、人工衛星の寿命は短い。地球の上空には、今や、7,500トンを越える「宇宙ゴミ (space junk)」が高速で周回するようになった。これは、大型ダンプで約 700台分の産業廃棄物を宇宙に捨てたことに相当する。

 ゴミの中味は、古いロケット本体、故障して機能しなくなった人工衛星、ネジ類やペイントの薄片などなど、とその大きさも種類も色々だ。「宇宙は広い」と言って、のんびり構えているわけには行かなくなった。これらのゴミが増え続け、現在活動中の数々の人工衛星に衝突するリスクも増大したためだ。

 そこで、Surrey (サリー) 大学「Space Centre」Guglielmo Aglietti教授らの研究グループは、宇宙ゴミを網で回収するシステム「RemoveDevris」を開発した。
 そして、その性能をテストするため、4月2日 (月)、このシステムを搭載した「SpaceX Falcon 9」がFloridaから打ち上げられた。RemoveDevrisは宇宙に放たれた後、「International Space Station (国際宇宙ステーション)」に向かう。到着は 4月4日 (水)の予定。

 RemoveDevrisは一旦、ステーション内に格納されるが、数週間後にステーションのロボットアームで宇宙に放たれて、宇宙ゴミの回収実験に取り掛かる。
 このRemoveDevrisには 2ヶの小型人工衛星「Cubsat (キューブサト)」が収納されている。その1つには「laser ranging (レーザー測距)」とカメラが取り付けられていて、役目は、宇宙ゴミの姿を捉え、正確な射程距離を確定すること。他の 1つの Cusatからは、網を噴出して、ゴミを捕まえる。場合によっては、とどめの「harpoon (銛)」を打ち込む。

 この宇宙ゴミ回収法の最大の特徴は、コストを安価に抑えることができる点にある。今回のプロジェクト経費は €15m (約20億円)。それに、たとえゴミが高速で回転していても、簡単に回収できる。

 網で捉えられ、銛を打ち込まれた宇宙ゴミは、質量と空気抵抗力が増すため、早期に大気圏に突入して燃え尽き、消滅すると期待されている。

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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英国の小学校:汚れた服を洗濯し、食べ物を与えるところだって? (BBC-News, April 2, 2018)

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 こんなことがあるだろうか。親が貧しさの余り、子どもを「neglect (育児放棄)」し、子どもが命をつなぐのは小学校の給食だなんて。それも、世界で最も「社会福祉」が充実しているとされるイギリスで。
 Englandの北の端 Cambriaから最南端の Hampshireに至る「inner city schools (スラム地区の小学校)」の先生が、子ども達のサバイバル・サポートに追い回されている。

 薄汚れた服を着て登校し、家庭ではまともな食事を摂っていないため、青白い顔をして、髪はボサボサの、生気がない栄養失調の子ども達。学校では、そんな子ども達に 清潔なユニフォームを与え、汚れた服は洗濯し、靴やコートまで用意してあげる。
 また、学校には「food bank」が設置され、給食の他にも「食糧」を給付する。空腹に絶えかねた子どもが、学校の食べ物を盗んでポケット一杯に詰め込んでも、「survival (生き延びる)」のためと、学校は黙認。

 こんな状況では、小学校が長期の休みに入ったら、子ども達は飢えてしまう。このため、夏休み期間中も「summer schools」を開催して、子ども達に給食を振るまっている。その間、教師はボランティアで働くことを余儀なくされる。

 Hampshireの港湾都市「Portsmouth (ポーツマス)」のスラム地区で小学校長を務めるMr Howard Paneによると、Portsmouthは 3月初旬に大雪が降って、多くの学校が休校に追い込まれた。ところが、Mr Payneは、空腹状態の子ども達を思って休校にはしなかった。案の定、大雪のなかを約45%の生徒が登校したという。 
 英国の貧困問題は深刻だ。全人口 6,564万人の約 30%が「貧困ライン (poverty line)」以下の生活を強いられている。このため、30人学級の中で 9人の家庭が貧困層

 貧困家庭の一部はプライドが高く「welfare (生活保護)」を申請しない。あるいは仕事を幾つか掛け持ちして働いているため、「benefits system (社会保障システム)」の受給資格を失っている。このため、結局、家族みんなが、生活保護受給費以下の生活費で暮らしすことになる。
 このような家庭の子どもにとって、学校が休みの土曜、日曜日は最悪。月曜日の朝、学校に登校した子ども達は、お腹がペコペコで、9時半過ぎには疲れ切った様子を見せるという。

 どうして、こんなことになってしまったのか、不思議に思う。今のイギリスの国力で、腹ぺこの子ども達を救えないなんて。
                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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今、世界が求める最先端医療は何か:これに気づいたのは学生だった! (BBC-Health, March 25, 2018)

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 最先端医療と言えば、ロボット手術にAI診断、遺伝子治療。それは事実だが、そこだけに目を向けていては、人々の健康、幸せ、それに医療システムも維持できない。

 何か忘れてはいないか。医療で最も重要かつ根本的なことは、病気に罹らないこと。つまり「予防医学 (preventative medicine)」にある。
 そもそも病気、正確には「non-communicable diseases (非感染性疾患)」の 80%は、その原因が「lifestyle (ライフスタイル)」、「diet (食生活)」にあるとされる。つまり、毎日、何を食べ、どのような生活を送っているかで、病気に罹るか罹らないかがほとんど決まるというのだ。

 どの国であれ、政府がロボット手術や遺伝子治療などの開発に巨額の資金を費やし、一方で、介護保険料や税負担を増して国民からお金を搾り取っても、膨らみ続ける国全体の医療費を抑えることも、人々の健康を守ることも不可能だ。

 医者は患者を診察しては、適当な薬を処方するだけ。病気の原因は何か、どうすれば再発を防ぐことができるかについて説明することはない。病気の治療をライフスタイル、食生活の観点から指導することなど皆無だ。

 その理由が明らかにされた。実は、医者は治療方法は分かっていても、「食」や「生活」の改善によって病気を予防する知識がなかった。あるいは病気の原因そのものに関心がなかった。また、医学部の授業カリキュラムの中に、「食の重要さ」を学ぶ科目もなかったという。

 2016年末、ようやく、一部の研究者によって「食の重要さ」が指摘されると、真っ先に動いたのは Bristol大学の学生たちだった。2017年、オンライン組織の「Nutritank」を開設し、病気の予防を目指した「栄養科学研究 (nutrition science research)」の活動基盤をつくる。
 これが大学当局を動かし、イギリスの大学では始めての「Culinary medicine (調理医学)」を学ぶコースが、Bristol大学にできることになる。

 「食 (food and nutrition)」が健康の中核、言い換えるならば「病気の予防は食にある」ことが最先端医学として躍り出ると、Cambridge大学でも医学部の必修科目「栄養学 (Nutrition)」の授業時間を2倍に拡充すると発表。
 さらにイギリスの権威ある医学雑誌「The British Medical Journal」は 2018年 6月から「The Science and Politics of Nutrition (栄養科学政策学)」を発刊する予定だ。

 いやはや、学生に押されて、医学界が医療の本質、医者の本分に気づくとは。
 
                (写真は添付のBBC Newsから引用)

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「貧乏」か「金持ち」かで決まる!:ガンの生存率まで「金」が支配! (BBC-News, March 30, 2018)

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 どの国に生まれるにせよ、この世に生まれてくるからには、「お金持ち」の家に生まれたいものだ。貧富の差によって寿命が違い、仕事が違い、病気になっても早死にする確率が高いとは、世の中なんとも不公平で、悲しい。

 ここに、その現実を裏付けるデータが発表された。
 「The Welsh Cancer Intelligence and Surveillance Unit (ウェールズ ガン情報・監視ユニット)」が全国規模のガン生存率調査を実施し、そのデータ解析の結果を公表したのだ。
 それによると、ガンの生存率 (survival rates) は、発症する器官・部位、進行段階ステージ、健康状態などによって左右されるが、患者の生死には貧困度も大きく関わっていることが明らかになった。
以下に、罹患率の高い肺ガン、乳ガン、大腸ガンの 3種についてまとめた。

1.Lung cancer (肺ガン)
・ステージ1に限ると、Walesで最も裕福な地域の1年生存率が約90。しかし、貧困度が増すにつれて生存率が低下し、最貧地域ではその生存率が 72%に留まった。
・ステージ 2, 3, 4でガンが見つかったときは、1年生存率の値に貧富の差の違いが認められなかった。

2.Bowel cancer (大腸ガン)
・ステージの別にかかわらず、家計の困窮度が増すにつれて、1年生存率が低下する傾向を示した。ただし、貧富の差の影響は肺ガンに比べて小さい。
・全体的に見ると、ステージ1の大腸癌の 1年生存率は約 88%。しかし、ステージ3になると、39%に落ち込む。

3.Breast cancer (乳ガン)
・貧富の別を問わず、ステージ 1, 2の乳ガンでは高い 1年生存率を示した。しかし、ステージ 3の乳ガンについては、患者が貧困地域に住んでいるか、富裕地域に住んでいるかによって、1年生存率が大きく違った。

 では、なぜ、「貧困地域 (deprived, poorer, or disadvantage area)」でガン生存率がひくいのか。この理由として、貧困地域住民のガンに対する知識 (兆候、症状) が不十分なこと、さらに


"Others may be reluctant to see their GPs because they are worried about "wasting the doctor's time' or believe symptoms will 'go away.'
[ 貧困地域の住民は、病院に行ってもむだな時間を使うだけとか、そのうち痛みがなくなると思って、病院に足を向けたがらないようだという。]
 
                (写真は添付のBBC Newsから引用)

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危険、バイ菌がいっぱい!:それがバスルームだって? (BBC-Health, March 28, 2018)

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 旅先のホテルでシャワーを浴びると、気分もスッキリ。また、家庭のバスタブに肩まで浸かると、Ⅰ日の疲れもとれる。でも、ほとんどの人が見落としているのは、バス・ルームに潜む「危険(dangers)」。

 Queen's Mary 大学の John Oxford教授によると、バスルームは「衛生上の観点から見ると (from a hygiene point of view)」極めて「要注意のスポット (tricky spots)」。
 BBCが、その注意点を次の6項目にまとめた。

1.Rubber ducks and bath toys:アヒルちゃんにお風呂場のおもちゃ
 お風呂に浮かぶアヒルちゃん。それがあるだけで、お風呂場の雰囲気も楽しい気分に変わる。しかし、実は、これが不潔そのもの。

 「The Times」に掲載された「The Swiss Federal Institute of Aquatic and Technology (スイス連邦水科学・技術研究所)」と「Illinois大学」の共同研究によると、検査の対象となった「bath toys (お風呂場のおもちゃ)」19ヶの内の 58%から、カビ (fungi) が検出されたという。
 お風呂に浮かぶアヒルを指で押して、中のお湯をそのお口からチューチュー出して遊ぶこともある。子どもは喜ぶが、これも大変危険。お湯が子どもの目や耳、あるいは口に入ると細菌感染症を起こしかねない。

2.Children's bath seats:赤ちゃん用バスシート
 赤ちゃんをバスシートに座らせ、バスタブにお湯を浅く張って遊ばせておくと安心と思いがちだ。しかし、これは間違い。赤ちゃんの行動は予測不可能。入浴中は絶対に目を離さないように。赤ちゃんの姿勢によっては、わずか数cmの水位で溺れることもある。

3.Scalding:熱湯を浴びてやけど
 寝ぼけまなこでシャワーを浴びたり、子どもの体をシャワーで洗ってあげるときは、まず、シャワーのバルブを水にしておいてから、徐々にお湯のバルブを開いて温度を上げるようにすること。
 とくに外出先のホテルのシャワーは、使い慣れていなので、この注意が必要だ。

4.Soap:石けん
 固形石けんには、予想以上にバイ菌がいっぱい付着している。これをみんなで使い続けると、大腸菌 (E. coli) も簡単に人から人に感染してしまう。
 家庭では液体ソープ入り「ソープ・ディスペンサー」がお勧め。

5.Towels:タオル
 ふんわりしたタオルの感触は格別。しかし、そこは「germs (バイ菌)」にとっても住み心地のいい場所だ。一度、誰かが使用して湿り気がつくと、なお結構な生息環境となる。
 家庭内では、家族各人がそれぞれ個別のタオルを使用し、来客用には使い捨てのペーパータオルを準備しておくといい。

6.Slippery surface:すべりやすいバスルームの床
お風呂場の床は、すべりやすい。ころんで骨折、アザ (bruises)、切り傷、脱臼(dislocations)など、思わぬ事故を起こすことがある。
床にはバスマットや滑り止めマットを敷いて、転倒防止に努めること。
  
                (写真は添付のBBC Newsから引用)

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ミツバチの毒針アピセラピー:病気が治るどころか、死亡する! (BBC-Health, March 23, 2018)

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  アピセラピー (apitherapy) と呼ばれる聞き慣れない民間療法 (folk remedy)がある。その歴史は古代ギリシャ古代エジプトに遡 (さかのぼ)るとも言われる。
 ミツバチが野山を飛び回ってつくり出した「蜂蜜」、「プロポリス」、「ロイヤルゼリー」などを医療に使用するものだ。ときに、ミツバチの「毒針」を患部に刺すこともある。これは、とくに「蜂針療法 (bee-sting therapy)」とも呼ばれる。

 その信奉者によって「rheumatoid arthritis (関節リウマチ)」、「multi sclerosis (多発性硬化症)」、「skin lesions (皮膚損傷)」、「chronic hives (慢性ジンマシン)」などに効果があると信じられて来た。
 
 ミツバチの毒針を使う理由の背景には、毒針で患部に炎症を起こし、これによって免疫システムの抗炎症性反応を誘発するいう考え方がある。

 ただし、その効能が医学的かつ明確に確認されているわけではない。効き目の信憑性のほとんどは「anecdotal (言い伝え)」のレベルに留まり、「evidence (科学的な根拠)」は薄い。

 そもそも、このアピセラピーが騒がれ始めたのは、USの女優「Gwyneth Paltrow (グウィネス・パルトロー)」が、2016年、「The New York Times」のインタビューで、この効能を宣伝したためだ。
 その後の2017年、Scotlandの俳優「Gerard Butler (ジェラルド・バトラー)」が映画の撮影中に傷めた筋肉を治そうと、ミツバチの毒針治療を受けた。ところが、あの頑強なButler氏でさえ、急性アレルギー反応の「anaphylactic shock (アナフィラキー・ショック)」で心臓が爆発しそうになり、急遽、病院に搬送された。

 急性アレルギー反応は重度の脳卒中を引き起こしたり、臓器不全を発症させて「植物状態 (permanet coma)」にすることもある。

 そして、ついにアピセラピーの犠牲者がスペインで発生した。
 その女性(55歳)は「muscular contractures (筋拘縮)」の炎症と「stress (ストレス)」を緩和しようと、この2年間、月に1回、ミツバチの毒針を使ったセラピーをプライベートト・クリニックで受けてきた。
 しかし、その治療中に突然、喉がゼイゼイとなり、息切れしたかと思うと意識を失った。すぐに病院に運ばれ、手当を受けたが、「multiple organ failure (多臓器不全)」を発症し、数週間後に死亡した。

 なお、スペインHospital大学のMr Ricardo Mdrigal-Burgaletaらの研究チームは、アピセラピーの治療効果について調査し、その結果を医学雑誌「The Journal of Investigational Allergology and Clinical Immunology」に発表した。

 Mdrigal-Burgaleta氏は次のように述べる。

"The risk of undergoing apitherapy may exceed the presumed benefits, leading us to conclude that this practice is both unsafe and unadvisable."

[ アピノセラピー治療のリスクは、予想をはるかに超えたものだ。したがって、この治療法は危険で、(一般の人には) 勧められないとの結論に達した。]

                (写真は添付のBBC Newsから引用)

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ガンの発症リスク:心がけ次第で約40%減 (BBC-Health, March 23, 2018)

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   線路の上や高速道路を歩くのは危険だ。そのことは、ほとんどの人がよく分かる。ところが、タバコを吸ったり、酒を飲み過ぎても、生命が危険にさらされることは、なかなか直ぐに理解できない。

 「君子危うきに近寄らず」とはよく言ったものだと思う。身の回りから「危険因子 (hazards)」を次々に遠ざけると、遭遇する災難がそれだけ小さくなることを端的に表わした諺。これはリスク回避の基本だ。

 さて、治療技術が進歩したとは言え、「ガン(cancers)」に罹らないことに越したことはない。その発症メカニズムも十分に解明されていない。しかし、疫学的な研究によってガンの要因(causes)すなわち危険因子が特定されている。

 イギリスのガン研究機関「Cancer Research UK」によると、ガンの要因のなかで「preventable causes (回避可能な要因)」の上位11項目は以下のとおり。

・Smoking :喫煙
・Obesity :肥満
・UV radiation :紫外線
・Occupational :職業( 発ガン性物質関連)
・Infections ;感染症
・Alcohol :飲酒
・Too little fibre :食物繊維の過不足
・Ionising radiation:放射線
・Processed meat :加工肉
Air pollution :大気汚染
・Too little exercise:運動不足

 「Cancer Research UK」の Dr Katrina Brownらの研究チームは、膨大なガン医療データに基づいて、これらの「preventable causes (回避可能な要因)」が「ガンの発症」に関与する割合を解析し、その結果を医学雑誌「The British Journal of Cancer」に発表した。

 その研究結果によると、上記の危険因子を全て遠ざけると、ガンの発症リスクは約 38%削減できるという。具体的には、日常生活でタバコを止め、酒をほどほどにして肥満にならないように健康管理を行なうと、イギリス全体で、1週間につき約2,500人、1年間では約135,000人がガンに罹らずに済むことになる。

 危険因子の中で注目されるのは「喫煙」と「肥満」。2011年の調査では、喫煙が原因と考えられるガンは全体の 19.4% であった。しかし、その割合は1年につき約1%ずつ減少し、2015年には 15.1%に下落した。
 一方、肥満については、ガン全体の 5.5% (2011年) から 6.3 (2015年) と増加傾向を示した。
 肥満は乳ガンをはじめ腎臓、大腸、子宮などに13種のガンの発症リスクを高めるとされる。

 なお、ガン全体に占める「回避可能な要因で発症するガン」の割合を、イギリス国内の「nations」別で整理すると次のとおり。

・Scotland     :41.5%
・Norther Ireland     :38.0%
Wales                    : 37.8%
・England                 : 37.3%

  この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

The Guardian, March 23, 2018
・Four in 10 cancer cases could be prevented by lifestyle changes

                (写真は添付のBBC Newsから引用)

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