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手押し式井戸ポンプがアフリカを救う:地下水を絶やさないために! (BBC-Science & Environment, February 24, 2017)

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 泉、湖や川は、清浄な飲み水を確保するための大事な水資源だ。しかし、アフリカ東部の国 South Sudan, Somalia, Ethiopia, Kenyaは、近年、深刻な干ばつに襲われ、小さな湖や川は地上から消えた。およそ 2億人の命を守るためには、どうしても地下水に頼らざるを得ない。

 地下水 (groundwater) とは次のようなものだ。

"When water falls as rain or snow, much of it either flows into rivers or is used to provide moisture to plants and crops. What is left over trickles down to layers of rock that sit beneath the soil.
"And just like a giant sponge, this groundwater is held in the spaces between the rocks and in the tiny interconnected spaces between individuals grains in a rock like sandstone."
"These bodies of wet rocks are referred to as aquifers. Groundwater does not sit still in the aquifer but is pushed and pulled by gravity and the weight of water above it."
"The movement of the water through the aquifer removes many impurities and it is often cleaner than water on the surface."

[ 雨や雪が地上に降ると、そのほとんどは川に流れたり、植物や穀物に水分として取り込まれる。しかし、一部は土壌に染み込んで、さらにその下の岩の層に流れ落ちる。]
[ そこはまるで巨大なスポンジに似るが、地下水は岩と岩との空間あるいは砂岩を構成する粒子間の微細な空隙に蓄えられる。]
[ この水を含んだ地層は帯水層と呼ばれる。地下水は帯水層にじっと留まることはなく、重力と水圧の作用力を受けて移動する]
[ 地下水は帯水層内を移動する間に不純物が取り除かれるため、地表水よりも清浄であることが多い。]

 アフリカでは、この地下水を汲み出すのに「手押し式ポンプ (vibration hand pumps)」が多く使われている。
 そこで、Oxford 大学の Dr David Clifton, Dr Rob Hope らの研究チームは、手押し式ポンプの柄 (handle) にモービル・センサーと加速度計 (accelerometers) を取り付け、ポンプの利用状況と地下水の水位を監視 (monitoring)する情報システムの開発に取り組んだ。

 2012年、Kenya の 60村の水井戸ポンプに300ヶのセンサーを設置し、試験が開始された。データは「data transmitter (データ伝送装置)」を通して Oxford に送られ、ポンプが故障して、動いていないことが分かると、すぐに修理会社に連絡する体制を作り上げた。

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 このお陰で、これまで修理は1ヶ月以上掛かっていたものが、3日以内に完了することができるようになったという。

 さらに、加速度計からのデータを分析することによって、地下水の水位の変動が予測できるため、「water security (水資源の安全確保)」対策には欠かせない情報になるものと期待されている。

 なお、Dr Clifton らの研究結果は「Environmental Medellin & Software」に発表された。

                                (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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その洗濯とドライブが海を汚染する!:なぜ? (BBC-Science & Environment, February 22, 2017)

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 毎年、推定950万トンのプラスチックゴミ(plastic waste)が世界中の海に捨てられている。その結果、地球上に生命を誕生させ、これを育んだ海(ocean)は、どこでも汚染が拡大した。とくに生命体への被害が深刻な汚染物質は、プラスチックゴミの15 - 31%を占める無数の「microplastics (マイクロプラスチック)」だ。その一部は、プラスチック破片が紫外線を受けて「degradation(分解)」したもの。

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 しかし、「The International Union for Conservation of Natural Resources, IUCN (国際自然保護連合)」の調査によると、その微細 (1mm以下) な粒子の中味は主に、洗濯の際に衣類からこぼれ落ちる合成繊維 (synthetic textiles)と、ドライブの最中に舗装面上でタイヤが摩耗して発生するプラスチック屑だった。タイヤには様々なプラスチックが混入されているためだ。
 さらに、化粧品で使用されている「microbeads (マイクロビーズ)」も、プラスチックゴミの約 2%を占めた。

 合成繊維の衣類 (fabrics) はwoo l(羊毛), cotton (綿) などの天然繊維 (natural fabrics) に比べて価格が安いため、世界中に大量生産・大量消費の文化を広げる担い手になった。その合成繊維由来の microplastics の汚染源はアジアに集中している。
 一方、タイヤから発生する microplastics の海洋汚染源は、アメリカ、ヨーロッパ、中央アジアが中心だ。

 魚は、エサのプランクトンとマイクロプラスチック (microplasitcs) との見分けが付かない。このため、有害なプラスチックをどんどん、体に取り込んでしまう。これがさらに食物連鎖 (food chain) と生物濃縮 (bioaccumulation) の過程を経て、毒性が濃縮され続けるとと、やがて海洋生物の多様性 (diversity) と人類の健康に「disastrous effects (悲惨な影響)」を及ぼすことになりかねない。

 さて、海洋汚染の主な原因は、合成繊維とタイヤにあることが分かったが、その解決は極めて難しい。誰にとっても洗濯やドライブを今すぐに止めることなどできないからだ。
 現在、「micro fibres (マイクロ・ファイバー)」、「micro materials (マイクロ・マテリアル)」と称する新素材開発が盛んに進められている。しかし、人工的に作り出される超微粒子の飛散を一体どうやって防ぎ切れるのだろう。花粉症に悩まされる人が多いのに、将来、さらに手強い汚染物質が生産され、放出されるなんて。

                                (写真は添付の BBC Newsから引用。)

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目の届かない地下はグチャグチャ!:フラッキング石油採掘 (BBC-Science & Environment, February 21, 2017)

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 原油 (petroleum) や天然ガス (natural gas) は、地下数千メートルの緻密な頁岩 (shale)層に含まれることが多い。数十年前、このような地層に、主として水、砂、化学物質から成る混合体を高圧で送り込んで、瞬時に周囲を破砕し、原油やガスが通りやすいように無数の亀裂を作る方法が開発された。
 爆薬こそ使用しないが、その作業は地中を衝撃波で破砕する発破 (explosion) だ。これは「fracking(フラッキング)」あるいは「hydraulic fracturing(水圧破砕法)」と呼ばれる。
 作業時には、ドンドンと地響きがとどろき、掘削井 (wellbore) から半径数百mに及ぶ地域にわたって地下深い地層はグチャグチャになる。

 この石油掘削技術の開発により、それまで未利用資源とされた貯留層から一挙にシェールガス・オイルが生産され、石油会社は巨万の利益を上げた。それは、これまでとは、全く違う石油開発であったため、USAでは250万人の雇用「frac job」を生み出したとも言われる。
 日本国内でも、この数年、試行的に繰り返されている石油・天然ガス回収法だ。

 しかし、「fracturing (破砕)」の示すとおり、この技術の本質は地下深部の地層を粉々、グチャグチャにすることにある。亀裂・ヒビが数本入っただけでは意味がないのだ。
  作業を進める石油業界にとって都合のいいことに、地下は人目に付くことはない。それに、たとえ地下水脈が壊されたり、化学物質に汚染されても、責任逃れはいくらでもでっち上げることができる。一般にこの種の環境破壊、地下汚染の検証は極めて難しいからだ。

 では、一般市民に十分説明されない、この「fracking (フラッキング)」の実態はどうなのか。
 「The US Environment Protection Agency, EPA (アメリカ合衆国環境保護庁)」は曲がりなりにも、2006年から2012年にかけてNorth Dakota, Pennsylvania, Colorado, New Mexicoの 4 州に限って「oil and gas spills(原油・ガス漏れ)」事故を調査し、7年間で457件の油井 (ゆせい) 漏れがあったと発表した。
 しかし、この事故件数の値は、あくまで水圧破砕作業中 (数日~数週間) に発生した事故に限定したもの。

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 Duke 大学の Dr Lauren Patterson らが、EPAの調査と同じ4州について、2005年~2014年の 10年間における原油・ガスの貯蔵、輸送中の漏れ事故を含めて調査したところ、EPAが公表した漏れ事故件数の 14倍以上にのぼる 6,648件が確認された。 
 その内 4,453件 (全体の67%) は North Dakota に集中していた。最大10万リットル(ドラム缶 [200L] にして500本分) が漏れ出でる事故も明るみに出た。

 それでも石油業界は反駁 (はんばく dispute) する。環境汚染の事故は「very few (極めてまれ)」と。
 根底に隠した本音は、「疑いがあるなら、地下にもぐって証拠を示せ」であろうか。

 なお、Dr Patterson らの詳細な調査研究内容は、「Environmental Science & Technologyに発表された。
                                (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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食べものを粗末にすると、どうなるか:地球の裏で泣く人が! (BBC-News, February 20, 2017)

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 政情の不安定な南スーダンでは食糧不足が蔓延し、多くの子どもが栄養失調に陥っている。しかし、この事実とは全く裏腹の、何とも皮肉な研究報告が「Agricultural Systems」に掲載された。

"It says the world consumes about 10% more food than it needs, while almost 9% is thrown away or left spoil."
[ 調査報告によると、世界の食糧の 10%以上が食べ過ぎで消費され、また 9%が捨てられたり、腐らせてしまっている。]

 さらに「inefficiencies in production processes (生産過程の非効率さ)」が拍車を掛けて、結局、21億トンもの食糧がムダになっていた。
 調査したのは、Edinburgh 大学の Dr Peter Alexander、York大学の Dominic Moran 教授らの研究チーム。「The UN's Food and Agricultural Organization, FAO (国際連合食糧農業機関)」のデータを分析した結果だ。

 なかでも、改善が求められるのは、生産効率の極端に低い「livestock production (畜産)」。世界で 2億 5千万トンの畜産物 (肉、牛乳、タマゴなど) を生産するのに、その4.6倍に当たる 20億4千万トンの「作物 (harvested crops)」が消費されている。

"They found that increased demand tor some foods, particularly meat and dairy products, would decrease the efficiency of the food system and could make it difficult to feed the world's expanding population in sustainable ways."
[ この研究によると、肉・乳製品などの一部の食品に対する急激な需要の拡大が、世界の食糧システムの効率を低下させ、人口増加を続ける地球の全ての人に、持続可能な方法で食糧を提供することは難しくなる可能性がある。]

"Meeting the demand could cause environmental harm by increasing greenhouse gas emissions, depleting water supplies and causing loss of biodiversity."
[ 需要に応えようとすれば、温室効果ガスの排出量がさらに増えて、地球環境は悪化し、水資源は枯渇し、生物の多様性は失われるであろう。]

"Until now, it was not known how over-eating impacts on the system. Not only is it harmful to health, we found that over-eating is bad for the environment and impairs food security."
[ これまで、食べ過ぎが地球の食糧システムにこれほど影響しているとは知られていなかった。ところが、その贅沢なふるまいは、人の健康に有害であることはもちろんのこと、地球環境に悪影響を与え、世界の食糧安全保障を損ねることが明らかになったのだ。]

 「他人の口にする物」についてあれこれと、差し出がましいことを言うのは野暮。しかし、誰かが作ってくれた美味しい物は、大切に食べたい。
                                (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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ケチャップが滑り落ちるボトル:これで一滴もムダなし! (BBC-Science & Environment, February 20, 2017)

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 ボトルに入ったケチャップやハミガキなどを使い切るあなたの方法は、次のどれ。

・ボトルを逆さにし、その底をトントンと叩く
・ボトルを激しく振る
・ボトルを何かにトントン打ち付ける

 しかし、どんなに「もったいない」精神があっても、ケチャップ、マヨネーズ、ハミガキ、ハチミツなどを最後の一滴まで使い切ることは、とても無理。第一、中味がなかなか出てこないし、下手なことをすると、結局、手や服を汚しかねない。だから、大抵の人は、容器にまだ中味が残っていても、ゴミ箱に捨ててしまう。

 また、レストランでは、調理容器に cheese soup などの「sticky products (ドロドロスープ)」を入れると、調理後の洗浄が大変。容器の内側や底にも食品が残ってしまうからだ。
 イギリス全体で、そのようにして捨てられる食品の量は年間 200 million gallons (約 90万 m3) にのぼると見積もられている。さらに、チューブ・パッケージの生産数は年間 400億本。したがって、チューブに残っていながら、ムダに捨てられる商品も莫大になる。

  そこで、「The Massachusetts Institute of Technology, MIT (マサチューセッツ工科大学)」の Kripa Varanasi 教授らが開発した「すべすべ滑らかボトル (slippery bottle)」は画期的だ。
 容器内側の表面を、一旦、ザラザラの特殊な膜でコーティングにした後、これを薄い膜で覆い、その上に液体を流して、内側の表面を平らで滑らかなスベスベ状態に仕上げる。

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                                                                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

 この容器を使うと、どんなドロドロ「ケチャップ」、ニュロニュロ「マヨネーズ」でも、容器を傾けると、口元からさっと滑り落ちてくる。テーブルの上ではイライラなし、ムダなしに加えて、容器の内側に中味が張り付かないので、見た目もきれい。

「slippery bottle」の用途は、化粧品 (cosmetics)、糊 (glue)などにも広がりそうだ。ただし、普及するまでには、4,5 年は掛かると見込まれている。

 これは、ヒット商品になること間違いなしだ。

   

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Walesの蜂蜜の効能:ミツバチは全ての人間を幸せにしてくれる! (BBC-News, February 19, 2017)

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  蜂蜜 (honey) はチーズ (cheese) と似ている。種類が豊富で、値段も産地によって大きく違う。店頭では、つい、どれにしようかと迷ってしまう。
 しかし、選ぶときのコツは、色と香りにありそうだ。新鮮な蜂蜜は、蓋(ふた) を開けた瞬間に、花の香りが漂う。
 これに対して、せっかくの蜂蜜をオリゴ糖などで薄めた「Made in China」は、廉価だが、品質は不明。水あめのように「甘ったるい」ものが多い。

 この状況はイギリスのWales (ウェールズ) でも同じようだ。養蜂家 (beekeepers) は価格の安い「Made in China」の蜂蜜に苦戦している。

 Walesで養蜂 (beekeeping) に携わる人は 4,280人。昨年 2016年の Wales 蜂蜜の生産量は 307トン。価格にして £3m (約 4.2億円)。
 その蜂蜜は「Welsh native bee (ウェールズ在来種のミツバチ)」が Wales に咲く花々から集めた貴重な滴 (しずく)。在来種のミツバチは、Walesのような寒冷地でもゆっくりと飛び回り、わずかなエサで冬を乗り切ることができる。
 このミツバチが蜜を集めるのに時間は掛かる。しかし、「Made in China」とは「enzyme(酵素)」も「goodness (滋養分)」もまったく違うもの。とても中国からの輸入物には値段でかなわないが、品質で勝負できるという。

 養蜂家の一人は、養蜂技術の奥の深さについて、次のように言う。
"They were on the planet for millions of years before man walked the earth in the fully evolved state they're in today and I feel we are only dabbling at it.
[ ミツバチは、人類が地球上を歩き回る数百万年も前に、すで現在の姿に進化を遂げ、地上に生息していた。私らは、養蜂についてほんの少しだけ分かり掛けたとしか、思えない。]

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 さらに、ミツバチが人間にもたらしてくれるものは、蜂蜜だけではなかった。
 Wales 北部の果樹園 (orchard) に、ミツバチの巣箱 (hives) 14箱を持ち込んだところ、収穫量は 40%も増加したという。ミツバチの受粉効果は抜群だ。

 また、Bosnia, Iraq, Afghanistan の戦場で任務に就いて引退した、「ex-serviceman(退役軍人)」のMr Richard Jonesは、「Post-traumatic stress disorder, PTSD (心的外傷後ストレス障害)」に苦しんでいたが、養蜂に取り組んで、ミツバチに救われた一人だ。

"It has lasting impact. One in three people who have been in a war will experience mental health problems."
[ PTSD は長引く病気。戦場に立つと、3人に1人は、PTSDなどの心の病気を発症する。] 
 ところが、ミツバチの世話をすることによって、きちんと (methodically) 仕事をこなすことや、集中力 (concentrate) を回復することができたそうだ。

 さて、結論。ミツバチ (bees) は、人間を癒し、幸せを運んでくれる。本当に優しい。

 なお、今週の木曜日(2月23日)、Walesの「Machynlleth (マハンセス)」に養蜂家が集まり、「The native Welsh bee (ウェールズ在来種のミツバチ)」に関する会議(conference) が開催される予定とか。
                                                     (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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ジーランディア大陸:南半球に不思議な大陸があった! (BBC-News, February 17, 2017)

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  地球上に大陸が幾つあるかだって?中学校の社会科の時間で習ったような気がする。
6つ、いや 7つかな。その正解は、日本とヨーロッパでは違う。日本では、Europe からEur をとって Asia に組み合わせた「Eurasia continent (ユーラシア大陸)」の名前が好まれるのに対し、ヨーロッパでは、ヨーロッパ大陸とアジア大陸と分けて数える。
 これに Africa, North America, South America, Australia, and Antarctica continentsを加えるならば、ヨーロッパ流に倣うと7大陸になる。

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 ところが、どうやら、地球上には、もう一つの大陸が存在するのでは、との疑惑が浮上した。場所は、南半球の太平洋南西域に横たわる「陸塊 (landmass)」。研究者はこれを「Zealandia (ジーランディア大陸)」と呼ぶ。
 ただし、大陸と言っても、その約 94%が海面下に沈んでいる。大陸の山脈の最高峰に当たる地域が New Zealand の 2つの島 North Island と South Island、それに New Caledonia (ニューカレドニア) というのだ。

 新大陸候補 (contender) の広さは 500万km2。オーストラリア大陸の約 2/3 もあり、けっして侮れない大きさだ。
 一般に大陸と認定される基準 (criteria) は以下のとおり。

・elevation above the surrounding area: 周囲の地形から盛り上がっている
・distinctive geology: 特徴的な地質構造
・a well-defined are: 明確な区分域
・a crust thicker than the regular ocean floor: その一帯の地殻が大洋底の地殻に比べて厚い

 しかし
"There is in fact no scientific body that formally recognises continents. So it could only change over time if future research accepts Zealand on par with the rest so that eventually we might be learning about eight, not seven, continents."

[ 実際には、正式に大陸として認められるための科学的根拠はどこにも存在しない。したがって、時代とともに大陸の数も変わる可能性があり、今後の研究によってジーランディア大陸がこれまでの大陸の仲間入りすることになれば、学校で教わる大陸の数は7つではなく8つとなるかもしれない。]

  現に、1930年に発見され、その後ずっと太陽系第 9惑星と呼ばれてきた「Pluto (冥王星)」は、2006年以降「準惑星 (dwarf planet)」と呼称が変更された。

 さて、余談。日本の科学者が、日本列島は仮称「Japonia (ジャポニア大陸」の一部と主張したら、スズメバチの巣を突っついたような騒ぎになるに違いない。

                              (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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